沸騰! 日本サラブ列島BACK NUMBER
高松宮記念はファインニードル!
ゴドルフィンはJRAをも席巻するか。
posted2018/03/26 11:25
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph by
Yuji Takahashi
スプリント界の新王者の背で、世界の大舞台を席巻する「ゴドルフィン・ブルー」の勝負服が躍動した。
春のGIシリーズの皮切りとなる第48回高松宮記念(3月25日、中京芝1200m、4歳以上GI)を、川田将雅が騎乗した2番人気のファインニードル(牡5歳、父アドマイヤムーン、栗東・高橋義忠厩舎)がハナ差で優勝。GI初勝利を遂げた。
2着は桜花賞馬レッツゴードンキ、3着も牝馬のナックビーナス。昨年の覇者セイウンコウセイは6着、1番人気のレッドファルクスは8着に終わった。
良発表だったが、前日まで稍重だった芝コースは荒れ気味で、力のいる馬場状態になっていた。特にインコースは傷みが目立ち、高松宮記念の前に行われたレースの直線では、ほとんどの馬が馬場のいい外に持ち出していた。
昨年の王者は力を出したが。
陣営が「逃げ宣言」をしていたセイウンコウセイは1番枠を引いていた。脚質的には絶好と言える枠だが、この馬場状態では、ずっと内を通っていると負担が大きくなる。
セイウンコウセイは速いスタートを切り、ゲートからの10完歩ほどでハナに立った。しかし鞍上の松田大作は、外から来たダイアナヘイローと無理には競り合わず、半馬身ほど遅れながらも並走する形を選んだ。
直線で抜け出すと外に持ち出し、ゴーサインを出した。この馬の力を引き出すレースはできた。いわゆる「脚があれば勝てる競馬」に持ち込むことはできた。
ラスト400mを切ったところでは「連覇達成か!」と思われたが、今年は、さらに速い脚を使う馬が複数いた。
ラスト200mで、内から伸びてきたレッツゴードンキとダンスディレクターがセイウンコウセイを抜き去った。
さらに外から香港のブリザードとファインニードルが追い上げてくる。
レッツゴードンキが抜け出した。外からファインニードルが並びかけ、鼻面を揃えたところがゴールだった。