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キタサンのJC敗因は高速決着か?
鞍上の武豊も「馬場がだいぶ……」。
posted2017/11/27 12:05
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph by
Yuji Takahashi
引退までラスト2戦となった「現役最強馬」キタサンブラックによる、史上2頭目の連覇はならなかった。
国内外の強豪がつどった第37回ジャパンカップ(11月26日、東京芝2400m、3歳以上GI)を制したのは、ヒュー・ボウマンが騎乗した5番人気のシュヴァルグラン(牡5歳、父ハーツクライ、栗東・友道康夫厩舎)だった。2着は今年のダービー馬レイデオロ。1番人気に支持された武豊のキタサンブラックは3着に敗れた。
キタサンブラックは、好スタートからハナに立ち、先頭のまま最後の直線に入った。
ラスト400m地点で武が手綱をしごいてゴーサインを出す。
いつもならここから力強い二の脚を使って後続を突き放すのだが、ジリジリとしか伸びない。ラスト100mを通過したところで外からシュヴァルグランにかわされ、最後はレイデオロにも抜かれ、3着に終わった。
ゴールしてから「あれ? ちょっと伸びなかったな」。
レース後、キタサンブラックの左前脚の蹄鉄が外れていた。武はこう話す。
「どこでやったのかはわからないけど、ゴールしてから、『あれ? ちょっと伸びなかったな』と違和感があったので、確かめてもらったら落鉄していた」
レース中に外れそうになり、ゴールしてから完全に落鉄した可能性もある。
落鉄との因果関係はわからないが、直線に入っても、ラスト400m地点まではコーナーを回ったときと同じ左手前で走り、その後また300m地点で左に戻し、200m地点で右へと何度も手前を替えていた。キタサンにとって、苦しい直線だったことは確かなようだ。
管理する清水久詞調教師は「いいペースで気分よく走っていました。こういう展開になることも予測していました」と話した。
やはり、極悪馬場の天皇賞・秋の疲れも多少あったのだろうか。1、2着馬は天皇賞・秋を使わなかった馬だったし、天皇賞・秋で2着だったサトノクラウンは10着と大敗している。