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サッカースタジアムで最高の観戦席は?
PSGが誇る世界のセレブ垂涎のVIP席。
text by
オリビエ・ボサールOlivier Bossard
photograph byAglae Bory/L'Equipe
posted2018/03/25 08:00
この扉の向こう側には……究極のスタジアムVIP席が用意されています。
「世界のセレブが一度は行ってみたい場所」
レジェンドを集めたイベントの運営や、それぞれのレセプションにおいて誰も退屈しないような配慮、そして何よりヴァカンスやプロモーションでパリを訪れた世界の著名人たちとコンタクトを取り、彼らをパルク・デ・プランスに招待するのがアレフの役目であった。
「今やパルクは、世界のセレブが一度は行ってみたい場所になった」と招待客のひとりは言う。
訪れる顔ぶれは、ファッションウィークや映画のセザール賞授賞式、テニスのフレンチオープンなど、そのときどきのパリのイベントによって異なる。
ザビエ・ニール(総合通信メディア企業「Free」創業者)やイザベル・コシェル(総合エネルギー企業「ENGIE」CEO)、フランソワアンリ・ピノー(総合服飾・宝飾品企業「KERING」創業者)ら定期的に顔を出す新進実業家たちは、アルケライフィ会長にほど近いところに座っている。
その少し後ろには歌手や俳優、アスリートたちが、49の座席をリザーブしている主要スポンサーたちと並ぶ。唯一、この場に近づくことを許されないのが選手の代理人である。
前述の招待客が語る。
「セレブや政治家、歌手、俳優……誰もがここに来たがるのは心から寛げるからだ。ニコラ・サルコジを見ればいい。ときどき子供を連れて来ているだろう。彼が子供連れで気楽に来られる場所なんて、この世界で他にどこがあるのさ」
その観戦風景を写真に撮られることが重要!?
貴賓席がクラブに直接的な利益をもたらすことはない。せいぜいが国際的なイメージを高めるぐらいである。
たとえば2015年のクラシコの際に、歌手のリアーナが貴賓席で観戦する姿を写真に撮られた。その画像はSNSなどを通じて世界中にばらまかれ、クラブの知名度を高めることになった。
またその1年前にはビヨンセとジェイ・Zのカップルが、バルセロナとのチャンピオンズリーグ戦(3対2でPSGの勝利)をアルケライフィ会長のすぐ近くの席で観戦した。そのときジェイ・Zが着たPSGのレプリカは、後にクラブによって競売にかけられ1万6000ユーロで落札されたのだった。