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ハマの守護神は小さくても守れます。
マリノス飯倉大樹の巧妙なGK技術。
text by
岩崎龍一Ryuichi Iwasaki
photograph byJ.LEAGUE PHOTOS
posted2018/03/22 11:30
ポステコグルー新体制で飯倉大樹の走行距離が話題となっている。それとともに本分のGKとしてのプレーも見逃せない。
「プレースタイルが一番ハマっている」
相手の心を読むという点では、GKは心理学者と同じ素養が必要だ。
「相手が何を狙っているか。それが自分のフィーリングと合えば、シュートを打たれる前に間合いを詰めることもできる。予測、そこが僕の一番大事にしているところですね」
今シーズン、マリノスは前オーストラリア代表監督のアンジェ・ポステコグルーを迎えて、大幅な戦術変更を行なった。驚くのは敷かれる最終ラインの高さだ。
ハイラインの後方にできた広大なスペース。それをカバーするのが“フィールドプレーヤー”飯倉に与えられた新しい役目だ。だから立ち位置は常にペナルティエリアの外と、GKとしてはかなり異質なポジショニングを強いられる。
しかし、飯倉はこれを意に介さない。
「足でのプレーですか。自分はGKである前に、1人のサッカー選手。難しいけど、いま自分のプレースタイルが一番ハマっている時かなと思います。楽しいですよ」
ハマのゴーリーに与えられた新たなミッションは、見た目ほど簡単ではない。にもかかわらず飯倉は、それを何事もなかったかのように、当たり前にこなしている。