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ハマの守護神は小さくても守れます。
マリノス飯倉大樹の巧妙なGK技術。

posted2018/03/22 11:30

 
ハマの守護神は小さくても守れます。マリノス飯倉大樹の巧妙なGK技術。<Number Web> photograph by J.LEAGUE PHOTOS

ポステコグルー新体制で飯倉大樹の走行距離が話題となっている。それとともに本分のGKとしてのプレーも見逃せない。

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岩崎龍一

岩崎龍一Ryuichi Iwasaki

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「現代のサッカーではストライカーに大きな給与が支払われるが、実際はGKの方が重要かもしれない」

 2015-16シーズンを前に、同じロンドンのチェルシーからチェコ代表のペトル・チェフを獲得。半年を経た年末に、アーセナルのアーセン・ベンゲル監督が語った感想だ。

 ゴールという歓喜の瞬間がサッカーという競技のハイライトである以上、ストライカーは間違いなく花形の存在だ。しかし、1点を奪うことと、1点を防ぐことが同等の価値を持つという当たり前の観点に立てば、優れたGKを持つことはタイトルへの近道といえる。

 横浜F・マリノスの飯倉大樹。彼が人に与える印象はそれほど派手なものではないだろう。ところが注意深く見ると、「当たり前」のように行われるプレーは、正確な技術と判断力、小刻みに繰り返されるポジショニングの修正によってこなされている。

 だから、プレー自体が「何事もなく」スマートに見える。飯倉の洗練されたゴール前の落ち着きは、それだけでチームメイトに安心を与える。単純に、もっと評価されてもいいGKといえる。

世代別代表歴はなくてもJ屈指の安定感。

 昨年のJ1では全34試合に出場し、失点は36。チームとしてリーグ5位の少なさだった。上位4チームの顔ぶれとGKを見ると、1位・ジュビロ磐田(カミンスキー/30失点)、2位・鹿島アントラーズ(クォン・スンテ、曽ヶ端準/31失点)、3位・川崎フロンターレ(チョン・ソンリョン/32失点)、4位・柏レイソル(中村航輔/33失点)となっている。

 他チームでは補強された外国籍選手や日本代表歴を持つGKがゴールマウスを守る中、年代別の代表歴もない飯倉が残した数字は価値がある。それは中澤佑二を中心としたマリノスの守備ラインが強いというだけでは言い表せない。間違いなく最後の砦となるGKの活躍があってのことだろう。

【次ページ】 松永、川口、榎本と180cm前後の選手が。

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