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ブッフォンの代表復帰に「NO!」。
混迷するアズーリの明日はどっちだ。
text by
弓削高志Takashi Yuge
photograph byGetty Images
posted2018/03/22 08:00
ブッフォンの経歴に、多くの国民が手放しの敬意を抱いている。しかし今回ばかりは、風向きは逆のようだ。
ブッフォン「呼ばれれば応じる責任が」。
代表の絆が持つ意味を誰より理解しているであろうGKブッフォンは、18日にナショナル・トレセンへ姿を表し、引退を翻してディビアージョからの招集に応じた理由を述べた。
「自分にとってアズーリは心身ともに分かちがたい存在で、呼ばれれば応じる責任がある場所。今回の招集に応じたのは、(3月4日に急逝した代表DF)アストーリを悼む気持ちもあった。世代交代? 代表の新顔たちは立派に一線で戦える。出番はもう彼らのものだ」
ロシアW杯出場を逃したイタリアは、本大会での上位進出を狙う強豪国にとって、おそらく最強かつ絶好のスパーリングパートナーだ。本大会直前には優勝候補フランスからの指名も受けている。
だが、ブッフォンも今回初招集されたFWコンビも、出場国の引き立て役に終わるつもりはさらさらない。暫定監督ディビアージョも「『夏以降、代表監督の椅子を誰かに譲っても構わない』と言ったらそれは嘘だ」と連盟へ続投を訴える。
マンチェスターとロンドンでの2連戦はただのテストマッチにはならない。
アズーリの未来がかかっている。