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本田の兄・弘幸氏はなぜ代理人に?
「圭佑が“脇役”くらいでないと」
text by
鈴木忠平Tadahira Suzuki
photograph byAtsushi Kondo
posted2018/03/20 11:30
中学時代は大阪選抜に選ばれ、名門・帝京高校へ進み、アルゼンチン3部でプロとしてプレーした経歴も持つ。右膝故障で22歳で引退した。
代理人・弘幸氏が喜びを感じる瞬間。
だから、弘幸氏は鈴木のような選手たちに人生を捧げるのだろう。24時間、風呂でも、トイレでも、手にしたタブレットの中に世界のピッチが広がっている。共に目標へ向かう選手たちが人生をかけてボールを蹴っている。
「契約が決まって、選手が入団会見で『ステージは用意してもらったんで、後は自分が頑張るだけです』と言ってくれたりした時なんかは喜びがあります。ただ、それを感じるためにやっているわけではなくて、そこを超越したものというか……。目の前の現実にトライし続けた結果、何年か後に、日本サッカーが強くなったと実感できた時に、ああ、やってよかったかなと思えるのかもしれませんね」
本田兄弟の夢は世界一になることだ。小さい頃から、2人で鮮やかに描き、ある部分は実現しながら、育ててきた。
そんな兄が代理人として口にする「圭佑を“脇役”に――」という言葉には、彼ららしい夢への本気度がつまっているような気がする。