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大学最後のシーズンを終えた渡邊雄太。
夢のNBA入りを目指しチャレンジは続く。
text by
宮地陽子Yoko Miyaji
photograph byGetty Images
posted2018/03/15 17:00
大学最後のシーズンはエース、そしてリーダーとしてもプレー。周りの期待に応えてきた。
「本当に大学の4年間は終わったんだなと」
──大学最後の試合から4日がたち、きのうがセレクション・サンデー(NCAAトーナメントの出場チームと組み合わせの発表が行われる日)だったので、あちこちでNCAAトーナメントの話題が出てきています。テレビは見ていますか?
「いや、見ていないです」
──トーナメント関連の情報は何も聞いていない?
「うちのリーグ(A10カンファレンス)から3チームが出られるようになったというのは目にしたんですけれど、彼らがどことやるとか、他のチームはどこが入っているかとか、そういうのは全然見ていないですね」
──見たくない?
「そうですね、今はちょっと」
──大学キャリアが終わったというのを実感しているところでしょうか?
「それは、本当にすごい実感しています。木曜に試合が終わって、シーズン中は意識して、栄養のいいものをしっかり食べたり、夜、寝る前にストレッチとか体幹トレーニングをやって、プロテイン飲んで、早目に寝ていたんですけれど、あの日はそういうのも一切気にせずに……。
友達(高校のチームメイト)が来ていたというのもあって、夜遅くまで起きていたり、そういう、ふだん全然やっていなかったことをやって。次の日の練習のこととかも考えなくてよくて、本当に大学の4年間は終わったんだなという気持ちになりました」
チームメイトから絶大な信頼を寄せられるリーダー。
──最後の試合の後に、記者会見場でチームメイトのジャイア・ボルデン(2年生ガード)が、渡邊選手のことをすごく努力家で、自分たちにとってこれからのベンチマークになるということや、コート上だけでなく、コート外やロッカールームでも、これほど努力している選手を今まで自分は見たことがないと言っていましたが、それは聞きましたか?
「聞きました」
──それを聞いて、どう思いましたか?
「それ(コメント)を見たときにすごく嬉しくて。僕自身、シーズン中から、今シーズンのチームが勝てていなかったのは自分のリーダーシップ不足だと考えていたので。試合が終わった後には、チームを引っ張れなかった不甲斐なさみたいなものも感じていました。そういうときに、ああやって、ちゃんと僕のことを見てくれていたという言葉を聞いて、自分がやっていたことは決して間違っていなかったのかなと。
彼以外にも、試合後にテキストメッセージをくれた下級生のチームメイトが何人かいました。特にアウェイゲーム(遠征)のときのホテルでのルームメイトとして仲がいいジャスティン・マズラ(1年生ガード)は、かなり長い文章のメッセージをくれて。感謝の気持ちとか、いつも僕のことを参考にしていたとか、本当にすごいありがたい言葉をたくさんもらいました。勝つことができたシーズンではなかったんですけれど、自分がリーダーの1人としてすごく成長できたシーズンだったのかなというのを、チームメイトのそういった声を聞いたり見たりして感じました」