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トランプ政権に戦いを挑む黒人選手達。
「俺たちは黙ってドリブルなんてしない」

posted2018/03/16 11:15

 
トランプ政権に戦いを挑む黒人選手達。「俺たちは黙ってドリブルなんてしない」<Number Web> photograph by Getty Images

スーパースターとして、そして、1人のアフリカ系アメリカ国民として声を上げたレブロン。

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及川彩子

及川彩子Ayako Oikawa

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Getty Images

“We won't shut up and dribble.(黙ってドリブルなんてしない)”

 ここ数週間、NBAの選手たちが頻繁に口にする言葉だ。

 事の発端は、とある動画サイトでバスケットボール界のスター、レブロン・ジェームズがトランプ政権を批判したことだった。ジェームズは以前から現大統領の差別的な発言や考え方に対して批判的だったが、その番組でも歯に衣着せぬ発言をしてみせた。

「(トランプ氏は)アメリカのトップにいるのに、相手を理解しようとしない。俺たちが子供の時に憧れた3つの職業は大統領、スポーツ選手、そしてミュージシャンだった。自分はそうなれないと思っていても、かっこいいなと憧れた。でも今の大統領はそういう(憧れの)対象じゃない。彼のヤバイ発言にはもう驚かなくなった。彼は差別を助長していると思う」

 その発言に対して、右寄りの偏向報道で知られるFOXニュースの女性キャスターが噛みついた。

「あなたの発言を無知な子供や大人は信じるでしょう。でもあなたは高校も卒業せずにNBAに入ったのよね。大金を受け取っているのはバスケットのためで、誰もあなたに政治的な意見など求めてない。黙ってドリブルしてなさいよ」と発言。嘲るような、そして見下した物言いだった。

自宅の壁に黒人差別の言葉を描かれたことも。

 トランプ氏は大統領選挙戦中から差別的なコメントを発信し続け、白人至上主義者などを中心に絶大な信者を獲得した。

「メキシコ人はレイプ魔だ」「黒人はみんな怠け者だ」「イスラム教徒を入国させるな」など根拠のない発言をする一方で、白人至上主義者や活動家を「とてもいい人たちだ」などと擁護。その結果、ヘイトクライムが増加し、ジェームズも昨年5月にはロサンジェルスの自宅の門に、黒人差別の言葉を書かれる被害に遭っている。

「アメリカには日々、憎悪が渦巻いている。(トランプ氏の)当選が決まってから、どんなに結果を出しても『でもお前は黒人だから』のひと言で片づけられる」と悲しみに満ちた表情で話していた。

【次ページ】 断固戦い続ける意思を示したジェームズ。

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