欧州サッカーPRESSBACK NUMBER
「貴史マジ変わった、すげー笑う」
原口元気と宇佐美、独2部からW杯へ。
text by
了戒美子Yoshiko Ryokai
photograph byGetty Images
posted2018/03/08 11:30
原口(右)と宇佐美が同じクラブのユニフォームで戦っている。ロンドン世代を知るサッカーファンなら、これだけでも感慨深い。
「試合中も時間帯によっては……」
想像するだけでも、ストレスと恐怖を感じざるを得ない。絶対安静の期間が終わり、徐々に練習に復帰。負傷から1カ月経った3月4日、ザンクトパウリ戦でようやく公式戦のピッチに戻った。
「ドクター的にはもう大丈夫だと。でもまだ、めまいがあって、試合中も時間帯によっては目が回ってるような感じで。試合中って、ずっと首を振ってるからね……」
そう言って、笑い話に持っていこうとする様子に余裕を感じた。
味方も信頼してパスを出してくれる。
「せっかく、気持ちよくサッカーできる場所を見つけた矢先にこうなったので。『ああ、またか』っていう感じだったけど、でも、ここでのサッカーは楽しめてる。ボールも来るし、リスクを負う存在になれるし。
正直ヘルタでは駒の1つでしかなかった。信頼はされていたけど、“とりあえずアイツに預ければ、何とかしてくれる”という段階ではなかったから。今はそういう役割をもらえているんで。味方も信頼してパスを出してくれるから本当に、やりがいがありますよね」
移籍3試合での離脱は辛かったが、ようやく本当の再スタートを切った。手応えは十分だ。
そして原口の加入を誰よりも歓迎しているのは、宇佐美貴史のようだ。もともと2列目でポジションを奪い合う可能性を宇佐美を含めても想像していたが、宇佐美が右サイドでのプレーができるようになったことで、左の原口と共存が可能になった。