猛牛のささやきBACK NUMBER
フォークと菅野智之直伝スライダー。
オリ近藤大亮は“変化球の男”だ!
text by
米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph byKyodo News
posted2018/03/08 10:30
昨季は平野佳寿につぐチーム2位タイの55試合に登板した近藤。8月10日の西武戦ではプロ初勝利を挙げた。
西に頼んで、菅野とともに自主トレ。
もう1つ、今年新たに加わった武器は、巨人のエース・菅野智之直伝のスライダーである。
昨年12月、近藤は菅野のハワイ自主トレに参加した。毎年、菅野とともに自主トレを行っているチームメイトの西勇輝に頼んで実現したものだ。
その自主トレ中、菅野に「そのフォームだったらこういう球がいいんじゃないの?」とスライダーを提案され、投げ方のコツなどを教わった。近藤とキャッチボールをした際の印象や、近藤の投球の動画をわざわざ見て、アドバイスしてくれたのだという。
その後、自主トレやキャンプでそのスライダーを自分のものにしようと練習してきた。
「あれ最強です。まだ思うようにストライクが入らないですけど(苦笑)、曲がりはいい。もう使っていきますよ」とキャンプ終盤に語っていた。
新たな武器はオープン戦の中で試され、磨かれ、それによってストレートがさらに活きることが理想だ。
「それに“近藤、今年は変化球投手”って記事が出れば、絶対バッターは気にするでしょ?」とほくそ笑む。
ブルペンの電話が鳴るたびにビクッ。
ユーモアのある話しぶりや、度胸満点の投げっぷりからは想像しがたいが、近藤は実はかなりの「緊張しい」だと言う。
「何にでも緊張するし、不安です。不安なんで練習もしますし、さぼりたくないんです」
そんな近藤にとってリリーフという仕事は過酷で、はじめブルペンは恐ろしい場所だった。
「登板前はものすごく緊張して、不安で、ブルペンの電話が鳴るたびに“ビクッ”としてました。電話の音が怖くなりましたね。それが毎試合なのできつかったです。
シーズンの終わり頃は勝ちパターンに入って、7回に行くからとか、8回に行くからと言われたので、5回ぐらいから緊張しはじめるという感じでしたけど、シーズン前半は、1回からスタンバイして、結局投げるのが9回だったり。長時間ずっと緊張しっぱなしやったんで……しんどかったですね」