ミックスゾーンの行間BACK NUMBER
名古屋の超大物FWジョーは剛柔自在。
恩師はモイーズ、風間監督にも適合。
posted2018/03/07 08:00
text by
西川結城Yuki Nishikawa
photograph by
Getty Images
注目と期待の大きさに違わぬ、鮮烈デビューとなった。
今季、J1に復帰した名古屋グランパス。ストーブリーグで加わったのは、元ブラジル代表FWのジョーである。
昨年、名門コリンチャンスの一員として得点王とリーグMVPに輝いた一線級のストライカー。移籍金はJリーグ史上最高額の約12億円と言われている。
昨季、神戸に加入した元ドイツ代表FWポドルスキに続く大物の来日で、デビュー戦から鮮烈だった。2月24日、ガンバ大阪とのJ1開幕戦、いきなり1得点1アシストを記録してチームの勝利に貢献したのだ。
16歳でコリンチャンスでプロデビューを果たした長身FW。若い頃は、「線が細くて、パワーがない選手だった。ただ、ロマーリオやロナウドが僕の憧れだったので、彼らのプレーを見ては真似ていた」とデビュー当時を振り返る。
「モスクワは本当に寒くてビックリ」
そこからジョーは、世界中の各クラブを転々とする。
18歳で後に本田圭佑も所属したCSKAモスクワに移籍。当時はチームのアイドル的存在だった元ブラジル代表FWのヴァグネル・ラヴが在籍し、「いつもグラウンド内外で面倒を見てもらっていた」とジョーも懐かしく語る。
一定の活躍こそしたものの、ブラジルから飛び出したばかりの彼の敵となったのが「寒さと食事」だった。
「本当に寒くてビックリしました。さらにまだ若かったので、僕は母の手料理が恋しくなって。モスクワ市内にはブラジル料理のレストランもあったけど、頻繁には食べられなかった。もうずいぶん昔の話だけど、今となってはいい思い出です」と、白い歯を見せてはにかんだ。