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“喫煙は?”と選手に聞いた就任時。
反町監督と松本山雅の幸福な7年目。 

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塚越始

塚越始Hajime Tsukakoshi

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photograph byGetty Images

posted2018/02/24 17:30

“喫煙は?”と選手に聞いた就任時。反町監督と松本山雅の幸福な7年目。<Number Web> photograph by Getty Images

その戦術眼で松本に熱狂をもたらす反町監督。今年も群雄割拠のJ2を面白くする存在となる。

「よし、これで行こうと決めれば」

「選手の持っている力を、特に攻撃面で出したいと考えている。守備面では、学習意欲やハードワークを引き出し、チームの統一を図るために犠牲にしなければならない部分も出てくる。ある意味ではチームのスタイルとして、共有してもらわないといけない。それがうちのチームは、しっかりできてきている。まだ何人かはできないけれど、1つの個体として、まとまりのあるチームになっている」

 反町はそのようにベースの堅牢なディフェンスに自信を持つ。守備の決まりごとが広く選手に浸透し、攻めるための準備がチーム内で整っている。だからこそ、攻撃面のチャレンジができると感じている。

「何を優先するか。よし、これで行こうと決めれば、迷うことなく、あとは全力で挑むだけだ」と、反町も腹をくくる。

その熱に“隠れ山雅ファン”も増加中。

 アルウィンが、7シーズン目の反町を待つ。

「試合が始まる前のアルウィンの雰囲気はなんとも言えないよ。選手入場のときの緊張感は、なかなか味わえるものではない。最近はその特別な雰囲気の中で戦いたいと、松本に移籍してくる選手も出ている。みんなが志を持って集まっている。その志を一つにして最大限に生かす。それが俺の仕事になる」

 アウェーを含め松本の試合に行くと、ゴールの瞬間にメインスタンドで多くのお年寄りのサポーターが立ち上がって歓喜する。その数に驚かされるほど、年齢層が幅広い。このオフの清水キャンプには、練習試合の観戦用バスツアーが組まれるなど、熱心なファンやサポーターも多い。

 地元のチームも応援しながら、実は松本も好きという“隠れ山雅ファン”が増加中だと聞く。

 松本山雅が多くの人生に彩りを与える。理路整然と怜悧に振舞う反町だが、人の優しさには弱い。顧みれば、新潟、松本と2つの街にサッカーの「熱」を根付かせてきた。クラブの中心で、数えきれないほどの心を揺さぶり続けてきた証だ。

 情熱的な声援を送るファンと躍動する選手たち。一方、ピッチ脇で眉間に皺を寄せ、口を真一文字にして作戦ボードとにらめっこする反町。様々なコントラストが人間模様を織り成す。2015年以来のJ1昇格へ。

 汗も、涙も、絶叫も、ため息も、すべてが歓喜に昇華されるJ1昇格決定の瞬間に向かって、松本山雅が新シーズンに踏み出す。

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