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ホリエモンが語る球団買収の裏側。
「渡辺恒雄氏に挨拶に行けば……」
text by
石井宏美Hiromi Ishii
photograph byYuki Suenaga
posted2018/02/15 15:00
現在はJリーグのアドバイザーを務め、スポーツとの関わりも長い。
球団価格は当初の100億円が3倍以上に!
堀江「実は私たちは最初、三菱証券経由で買いたいというような話をしていたんです。そうしたら(近鉄が)オリックスと合併するみたいな話が出てきたじゃないですか。これで目はなくなったのかなと思ったら、5月か6月ぐらいに、楽天にいた小澤(隆生)くんから電話がかかってきて、『近鉄、まだ買えるよ』と言われた。
『おたくのボスはどう思ってるの?』と聞き返すと、『うちのボスはまったく興味がなくてやらない』と。
でも、私たちの知名度が急上昇したら、三木谷さんも、プロ野球のポテンシャルに気づいて、すぐに記者会見で新球団を設立する計画が発表されて。いきなり壮大にハシゴを外されましたから(笑)」
――池田さんはその10年後ぐらいにDeNAが球団を買収しました。
池田「僕らが買った時は80~100億程度でしたが、誰も買いたくなくて、買った後も街の人も誰も見向きもしてくれなかった。完全に負け戦だと言われていましたよ。それが今では、おそらく200~300億かけても買えないでしょうね」
もし「モバゲーベイスターズ」なら?
――DeNAも球団買って、すごいPRになりましたよね。
堀江「買った時に、『モバゲーベイスターズ』にしようとしてましたよね」
池田「してました(笑)」
堀江「よかったね。あれはナベツネに感謝だね」
池田「あの人、センスがあるんですよね。『モバベーだかなんだか知らないけど』って、彼の言った言葉が新聞の一面にドーンと載ったんですよ。それで一気に認知されたというか。彼が『モバゲーは許さん。会社名じゃないと許さん』と。モバゲーによって、DeNAベイスターズになったんですよ。そしてDeNAの知名度が広がって、ロゴ変更してブランド変更して、DeNAショッピングにかわり……。そういった意味ではナベツネすげぇな、と」
堀江「モバゲーベイスターズになっていたらどうなっていたんだろう」
池田「恥ずかしいですよね」
――堀江さんがベイスターズの視察に行った時、球団の状況を見て「これは面白いことをやっているな」と感じましたか?
池田「堀江さんの球団と僕のベイスターズ、もし同時期に存在していたら、プロ野球はもっと盛り上がっていたと思いますけどね。アプローチが違うからまた面白いというか。
DeNAはなかなかお金をいっぱいボンボン出してくれないので、自分でキューバに行って、安いけど有名な選手を獲得したり。でも、堀江さんはいつも僕とは全然違うアプローチをされるので」
堀江「結構普通に言ってますけど、ロジャー・クレメンスと契約する予定だったんですよね」
――ロジャー・クレメンスがナンバーワンの時代ですよね。
堀江「そうです。最後のキャリアを日本で華々しくやってくれと言って。クレメンスが来たらそれだけでいいじゃないですか。他にもシートの売り方などもいろいろと考えていてそれを説明していたんですが、みんな半分ぐらいは分かってくれなかった。でも、それは絵に描いた餅なのでどうしようもないですけど」