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カバーニはPSGで過小評価されてる!
ハリル、クリンスマンが知性を絶賛。
posted2018/01/19 11:00
text by
クリストフ・ラルシェ&フレデリック・エルメル&バレンティン・パウルッツィ&アレクシス・メヌーゲChristophe Larcher et Frederic Hermel et Valentin Pauluzzi et Alexis Menuge
photograph by
Alain Landrain/L'equipe
2017年12月27日に発売された『フランス・フットボール』誌は、同誌が表彰する2017年フランス人最優秀選手の特集号である。1959年に始まったこの表彰は、1963年のイヴォン・ドゥーイ(82歳)から昨年のアントワン・グリエスマンまで、生存する26人の過去の受賞者たちとパスカル・フェレ編集長の投票により決められる。
2017年のフランス人最優秀選手に選ばれたのはエンゴロ・カンテ(チェルシー)。99ポイントを獲得し、85ポイントのキリアン・ムバッペ(パリ・サンジェルマン、以下PSG)を抑えての堂々の初受賞である。その一方で、リーグアン最優秀外国人選手には、2年連続でエディンソン・カバーニ(PSG)が選出された。
同誌にはカンテのロングインタビューの他に、カバーニについてのかつての名ストライカーたちのコメントが寄せられている。
ここに紹介するのはヴァイッド・ハリルホジッチ、ステファン・シャプイサ、ユルゲン・クリンスマンの3人のみだが(他にはキコ、ジャン=ピエール・パパン、アルド・セレナ)、カバーニの何がエキスパートたちに評価されているかがよくわかる。
監修:田村修一
「彼はエゴイストではない」(ハリルホジッチ)
エディンソン・カバーニが2年連続でフランス・フットボール誌が選出するリーグアン最優秀外国人選手に選ばれた。かつての名ストライカーたちが、今季も高いパフォーマンスを維持し続けるカバーニに称賛の言葉を贈った。
<バイド・ハリルホジッチ(日本代表監督、FCナントとPSGのセンターフォワードとして活躍、リーグアンで2度得点王を獲得)>
「いまだにカバーニに対する批判があるというのは……。彼は本当に素晴らしいストライカーだ。彼は毎シーズン、コンスタントにゴールを挙げている。それこそが最も重要なことだ。そのうえ彼は、どの試合でもゴールチャンスを作り出す。最高級のモダンなアタッカーだ。
そのスピードと身体の大きさで、彼が本物のアスリートであることがわかる。そのうえ彼の醸し出す親近感、パートナーたちへの献身の強さが私にはとても印象的だ。彼は縦にも横にもよく動いて、味方のためにスペースを作る。それは彼がエゴイストではない証拠に他ならない。
彼は決してゴールに背を向けない。常に動いて相手のゴールへと向かう。45度かそれ以上の角度を保って加速しようとしている。
もしかしたら繊細なテクニックに欠けるという批判は成り立つかもしれない。30~40mのスプリントを何度となく繰り返すことで消耗してしまい、ゴール前での落ち着きを失うことがときにあるからだ。