リーガ・エスパニョーラ最前線BACK NUMBER
ペレス会長がジダンに“嫌がらせ”!?
リーガ優勝は無理、最悪は解任も……。
posted2018/01/20 07:00
text by
横井伸幸Nobuyuki Yokoi
photograph by
Getty Images
補強は必要があるから行われるものだ。
マスチェラーノが出場機会を求めて中国へ去ってしまうバルセロナは、代わりにパルメイラスからCBミナを獲得した。同じく獲得したコウチーニョは、リーガにおける独走とCL出場不可(リバプールで出場済みのため)を考えると「いまでなくても」と思えるが、すでに来季を考えているのかもしれない。
そのバルサを追うアトレティコのビトーロとジエゴ・コスタ獲得は、新戦力の登録が禁じられていた昨年夏に計画されたことなので、シメオネはようやく'17-'18シーズン用のチームを手に入れたと捉えるべきだろう。
3位バレンシアは、シーズン末までCL出場権内に留まるべく、ビエットとコクランを獲った。それぞれ攻撃と中盤を強化するためであり、前者はストライカーのザザが昨年秋から左膝を壊したままプレイしていることも関係している。
では、レアル・マドリーはというと――。
バルサに大差をつけられても「補強は必要ない」。
2カ月前から調子は変わらず、順位を落とし、首位バルサとのポイント差は19にまで広がってしまった(ただしマドリーは1試合少ない)。昨季はシーズンを通して3敗6分けを喫し21ポイント取り損ねたが、今季は前半戦だけで22ポイントも取りこぼしている(4敗5分け)。この状況を打破するためにも、補強は検討されて然るべきだろう。
ところが、ジダンは首を横に振る。
「誰も要らない。いまのマドリーがわたしのチームであり、わたしが守ってやる選手たちだ。先はまだ長い。さまざまな出来事を分析し、補強が必要だったか判断するのはシーズンが終わったときだ」
ジダンがそう主張するのは、ゴールさえ決まるようになれば事態は一転すると依然信じているからだ。確かにマドリーは今季もシュートの機会を数多く作っており、折り返し地点までの18試合で、20チーム中最多の通算348本を放っている。昨季が332本だから増えてさえいる。