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良くも悪くも期待を裏切る球団!?
3年目の梨田・楽天は優勝できるか。
text by
田口元義Genki Taguchi
photograph byKyodo News
posted2018/01/07 08:00
ルーキーイヤーながら記憶に残る活躍をした楽天・藤平。開幕から先発ローテを任されるべく期待されている。
打撃陣の奮闘に呼応するかのように、投手陣も爆発!
楽天の本領発揮。
でも、まだだ。まだこんなもんじゃない!
見せてやる、野球の底力を――そう言わんばかりに、投手陣も呼応した。
地元である西中田小、柳生中、名取北校、東北学院大と「He's Back」の文字が、Koboパーク宮城のスクリーンで絶妙にシンクロする。西武に入団した時「I'll be back」と地元に言い残していたというわけでもないが、岸が期待通りのパフォーマンスを披露し、故郷に錦を飾った。
開幕前に「岸さんと最多勝争いをしたい」と、本人に向かって宣言した絶対エースの則本昂大も、8試合連続2桁奪三振の偉大な記録を樹立してチームを引っ張った。
辛島航は地方球場で連戦連勝。「サブ」こと福山博之が、祭りだわっしょいとばかりに、不動のセットアッパーとして大活躍。
「試合をすれば勝てるという雰囲気だった」と、若き守護神・松井裕樹も吠えた。
我らの敵は~い~な~い~……はずだった。前半戦までは。
歓喜の涙から、いつの間にか絶望の涙へ。
首位で迎えた後半戦。
「Smart&Spirit 2017東北・夢・再び」のスローガンのもと、ファン全員が信じて疑わなかった、4年ぶりの歓喜の涙。それが、絶望の涙に変わるなど、誰が予想しただろうか。
故障者は突然に。
6月に茂木が、右ひじの故障で離脱していたことですら大打撃、なのに……。
7月に入ると藤田一也が腰痛、岡島豪郎が左肩の亜脱臼、ペギーも左太ももの肉離れ、今江年晶が左腕の骨折。そして極めつけは松井裕樹の左肩痛。
みんな一軍登録抹消。
3年連続での故障者大量発生!
嘘だと言ってくれ!……残念ながら、この時ばかりは嘘じゃなかった。
小説なら絶対に描かれない、分かりやす過ぎる負の連鎖。無情にもその惨状にとどめを刺してしまったのが、ジョシュ・コラレス、27歳、投手、アメリカ・カリフォルニア出身。途中加入の助っ人だった。