酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
内川聖一は当代最高の右打者である。
あまりにも圧倒的な3つの数字。
posted2018/01/10 11:30
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph by
Naoya Sanuki
今年の年男を調べていて、ソフトバンクの内川聖一もその1人であることに気がついた。
あの素朴な風貌の青年も、はやアラフォーであるか。月日の経つのは本当に早い。
このオフ、内川をいろんなスポーツバラエティ番組で見かけた。例年より露出が多いように思った。
なんとなく剽軽な印象があるが、タレントや芸人と並ぶと、内川は素晴らしい肉体の持ち主であることがわかる。185cm90kg、チームメイトの柳田悠岐は188cm93kgと一回り大きく「鉄躯」という言葉がふさわしいが、内川は足も細くて長く、体全体が鞭のようにしなやかだ。そのたたずまいが、「内川聖一」という野球選手を物語っている。
内川聖一は、すでにいろいろな意味で歴史的な存在だ。彼は現役バリバリのうちに、ぜひ目に焼き付けるべき選手なのだ。
新年一発目は、年男「内川聖一」の凄いところについて紹介したい。
1.内川聖一はNPB史上屈指の右打者である。
<4000打数以上の右打者の生涯打率ランキング>
1.ブーマー .317(4451打数1413安打)
2.落合博満 .3108(7627打数2371安打)
3.内川聖一 .3095(6380打数1975安打)
4.レオン .308(4667打数1436安打)
5.中西太 .307(4116打数1262安打)
洋の東西を問わず野球の世界では、左打者が有利だ。一塁まで数十cm近い上に、一般的に左打者が得意だとされる右投手との対戦数が圧倒的に多いからだ。
NPBでもMLBでも、通算打率の上位にはずらっと左打者が並ぶ。
右打者1位のブーマーは、全体では4位だ。内川は、通算打率で右打者3位(全体9位)、2位(全体7位)の落合博満に肉薄している。
1位のブーマーとはかなりの差だが、ブーマーが活躍した昭和末期は打高投低だった。しかし2011年の統一球導入以降、NPBは投高打低が続いている。そんな中で3割を大きく越える通算打率を維持しているのだ。
ちなみに長嶋茂雄は.305(8094打数2471安打)で6位だ。