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良くも悪くも期待を裏切る球団!?
3年目の梨田・楽天は優勝できるか。
posted2018/01/07 08:00
text by
田口元義Genki Taguchi
photograph by
Kyodo News
評論家の大半が自信たっぷりに断言していた。
「パ・リーグの優勝はソフトバンクだ!」
見事的中。おめでとうございます。でも、彼らはしくじった。
「楽天はまあ、Bクラスでしょう」
2017年まで3年連続Bクラス。うち、最下位2度。直近の実績くらいで「弱者」扱いされたその鬱憤、晴らしてみせよう、ペナントレース――とばかりの快進撃。4年ぶりのAクラスとなる3位。杜の都の牛タンパワー……もとい、犬鷲軍団の力を思い知ったか野球界よ。
キャンプ、オープン戦では、静まり返っていた楽天。
2017年、楽天は野球の底力を見せた。
「二度あることは三度ある!」
近鉄、日本ハムのいずれも監督就任2年目でのリーグ優勝を果たした名将・梨田昌孝が、声高らかにチームを鼓舞する。
さらに、地元仙台市出身でプロ通算103勝の岸孝之が、西武からFAで加入したのだから無理もない。
意気揚々――のはずだったが、実際の船出は意気消沈の連続だった。
肥大化して久米島に上陸した若手のホープ・オコエ瑠偉が、春季キャンプ2日目で右手薬指の負傷のため無言の帰仙。聞けば全治3カ月だそうな。割と重症。初日に見せた、あの陽気なバレンティンのモノマネ、何かのメッセージだったか?
「オコエのことはもういいから、他の選手を取材してください」
怒気を抑え、静かにメディアを諭す梨田監督が怖かった。チームのコンディションが整わない。同時期に塩見貴洋がヘルニアで、キャンプで絶好調だった3年目の安樂智大も、右太ももの怪我でサイレント離脱。とどめは、開幕投手が決まっていた岸のインフルエンザ。
まさに“一難去らずに、また一難”。暗雲が垂れ込め続けた。