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良くも悪くも期待を裏切る球団!?
3年目の梨田・楽天は優勝できるか。
text by
田口元義Genki Taguchi
photograph byKyodo News
posted2018/01/07 08:00
ルーキーイヤーながら記憶に残る活躍をした楽天・藤平。開幕から先発ローテを任されるべく期待されている。
名将・梨田監督の采配で、開幕戦から怒涛の進軍!
「嘘だと言ってくれよ! イーグルス!!」
ファンの悲痛な叫びが多分届いたのか、シーズン開幕前にチームに漂っていた深い霧は、開幕するやいなや、嘘のようにきれいさっぱり打ち払われた。
窮状を打開したのは、やはりこの男。猛牛遺伝子を受け継ぎし“いてまえ”の名将・梨田昌孝。オープン戦でからっきしだった打線に指揮官が、驚くべきテコ入れを施したのだ。
1番・茂木栄五郎、2番・カルロス・ペゲーロ、3番・ゼラス・ウィーラー、4番・ジャフェット・アマダー……打線のつながり? セオリー? なんぼのもんじゃい! と言わんばかりの超強力打線を形成し、いざ決戦の舞台、開幕戦へ――。
開幕戦。本当は辟易しているのに、友達の横綱・稀勢の里ネタを惜しげもなく提供してくれたナイスガイ、美馬学が岸の代役を見事に果たし6回を3失点で抑える。
その力投に応えたのが、楽天(梨田猛牛)打線の象徴ペゲーロだ。
延長11回に繰り出した特大の決勝バックスクリーン弾。
この勝利を皮切りに、オリックスとの開幕カードで3連勝。奇しくも、猛牛たちのホームグラウンドで、楽天は完全に勢いに乗った。
なんと! 3月、4月は首位でした!
<勝機(とき)は~来たり~ 荒鷲よ~翔べ~ 今日もわれ~らと~ 共に戦おう~ 杜の都へ~ 勝利を運べ~ 我らの敵は~い~な~い~♪>
Koboパーク宮城にこだまするオープニングテーマは、言うまでもなく『青葉城恋唄』から拝借したもの。元ネタの作者さとう宗幸も地元仙台のテレビ番組『OH! バンデス』で「お晩です~」とシーズン序盤の快進撃を毎晩喜んでいた。
切り込み隊長の茂木栄五郎がきっちり仕事を果たす。登場曲『止まらないHa~Ha』に合わせるように、“栄ちゃん”が快打を連発。
“ペギー”の愛称で親しまれるペゲーロの豪打も止まらない。ペギー葉山が旅立った4月12日同日には哀悼を込めた鎮魂弾だ。米軍が開発した、ミサイル追尾の軍事レーダー「トラックマン」もびっくりの超弾道150mアーチで、レフト後方の観覧車から高みの見物と決め込むファンの度肝を抜いた。
同僚の爆発に、「ハクション大魔王」にそっくりとされるウィーラーのテンションも上がる。呼ばれて飛び出てジャジャジャジャ~ンとばかりに、この3年目助っ人がまるで魔法のように長打を打ちまくってくれた。そして、アマダーも少しは打った。
その結果……3、4月は、驚くなかれ16勝5敗の首位!
楽天は開幕ダッシュに成功したのである。
「春の珍事」
誰が言った?