プロ野球亭日乗BACK NUMBER
来季巨人の大命題、どう点を取るか。
2番はマギーより坂本が最善手では。
posted2017/12/31 11:30
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph by
Hideki Sugiyama
打てなかった。
2017年の巨人を振り返ると、2010年代初頭には最強を誇った強力打線の凋落が著しいということが強く残っている。
投手陣を振り返れば菅野智之が最多勝(17勝)、最優秀防御率(1.59)、マイルズ・マイコラスが最多奪三振(187)と投手三冠を巨人勢で独占。この2人に左のエース、田口麗斗を加えた3人で44勝17敗の貯金27を作っている。
2018年シーズンはこの3本柱からマイコラスが抜け、その分をフリーエージェントで獲得した野上亮磨と、ケガで出遅れシーズン中には暴行事件を起こすなど散々だった山口俊の2人でどれだけカバーできるか。また'17年シーズン後半戦にローテーション入りした畠世周が開幕からどこまで働けるか。その辺に期待のかかるところだ。
いずれにしても2018年の巨人のチームコンセプトは'17年同様、投手力を中心にした守りにあることだけは間違いない。
守りの野球を目指すと同時に、打線の援護も必要。
ただ、いささか逆説的になるが、こうした投手陣を中心にした守りの野球を目指すのであれば、なおさら必要なのが打線の援護なのである。
菅野やマイコラスなら3点取れば勝ちは見えてくる。田口にしても4点取れればかなりの確率で勝利が見えてくるし、そういうゲームプランが成立する。ただ、そんな投手はどのチームでも1人か2人しかいないのは当たり前なのである。
日本一になったソフトバンクは規定投球回に達した防御率3点台以内は千賀滉大、東浜巨、リック・バンデンハーク。セ・リーグ覇者・広島は薮田和樹と野村祐輔、大瀬良大地とそれぞれ3人いたが、そういう安定した先発以外のときに、いかに打線が援護できるか。その投打のバランスが'17年の巨人にはなかった。