プレミアリーグの時間BACK NUMBER
CBに113億円つぎ込んだリバプール。
ファンダイクは移籍金に見合うの?
text by
山中忍Shinobu Yamanaka
photograph byGetty Images
posted2018/01/08 07:00
サウサンプトン時代には吉田と堅守を披露したファンダイク。超高額の移籍金の重圧を跳ね除けられるか。
強豪対決になると脆いリバプールをどう立て直す?
クロップのリバプールは、格下を攻撃力で圧倒しても、同格以上に攻められると脆くも崩れてきた。
今季10月、CLマリボル戦(7-0)とプレミアのハダーズフィールド戦(3-0)で快勝しながら、トッテナム戦では1-4で完敗。ミスで2点のリードを許した後、苦手のセットプレーで事実上のとどめを刺されている。
12月のアーセナル戦(3-3)も同様だ。その前後にはボーンマスとスウォンジーから計9得点を奪って勝利していたが、お互いに攻撃を身上とする強豪対決では後半5分間で3失点。2点リードから一時的に追う展開を強いられた。小柄なアレクシス・サンチェスにヘディングを許した20歳のCBジョー・ゴメスは、まだファンダイクから学ぶべきことが多い。
もちろん、ファンダイク自身もクロップ流を学ぶ必要がある。最終ラインはサウサンプトンに比べると格段に高い位置にある。両SBが前方に上がっている状況で、敵のカウンターに対処しなければならない場面も増える。なおかつ守備が本職と言えるようなボランチもいない。攻撃の起点としてロングパスより、素早いショートパスを求められることにもなるだろう。
デビュー戦予定のマンCで結果を残せば……。
ただ、数多くのタスクに対応できるだけの能力をファンダイクは備えている。リバプールでのデビューが見込まれるのは1月14日の23節。今季無敗で首位を独走するマンCは、昨年9月の前回対決で大量5得点を奪われた相手でもある。リバプールでの初陣で、新CB加入による変化を見せられれば、一気に「高いが価値はある」という意見になびくだろう。
もし活躍を果たせば、同夜にBBCで放送されるハイライト番組『マッチ・オブ・ザ・デー』で、解説陣の1人であるシアラーが、冒頭に記した前言を撤回するのではないか。ジョーク好きな司会者、ガリー・リネカーに「“移籍金には見合わない”と意見した人もいたようだけど?」とでも突っ込まれ、苦笑いを浮かべながら。