フランス・フットボール通信BACK NUMBER
どうやってロナウドを操作してる?
ジダンが真摯に語ったスター操縦法。
text by
パトリック・ソウデン&フレデリック・エルメルPatrick Sowden et Frederic Hermel
photograph byBenjamin Cremel/L'Equipe
posted2018/01/07 07:00
ジダンはロナウドの5度目の受賞に際して「史上最高の選手」と手放しで称賛している。
方法論5.「倹約家から疲れを知らない男へ」
他のどの監督にも成し得なかったジダンの功績のひとつは、すべての試合で全力を尽くすのではなく、ときに休息も必要であることをロナウドに認めさせたことである。
とりわけ「シーズン終盤の最も大事な時期に疲弊しないために」という言葉には説得力があった。
「根気強さは彼の最大の資質だ。信じられないぐらいだよ」とジダンは語る。
「だがそれは同時に彼の最大の欠点でもある。何故なら常により多くを求めて決して満足しないからだ。それでときにいっぱい食わされることもあるが……」
シーズンの終わりに、それで彼は欠場したのだった。
レアルの監督に就任した際にジダンは、他の選手同様にロナウドにもローテーションを認めさせた。だがそれは、最初からうまくいったわけではなかった。
はじめて彼を早い段階で交代させた試合の時は、ロナウドも早すぎると感じており、スペインのテレビカメラは不満顔でピッチを去る彼をズームアップで捉えていた。ただ、その3日後には、ドルトムントとのチャンピオンズリーグで先制点を決めたロナウドが、真っ先にジダンのもとに駆け寄って抱き合う姿がカメラに映し出されたのだった。
2016-17シーズンのロナウドは、リーガ全38試合中29試合しか出場しなかった。ジダンの戦略の勝利であり、それを受け入れたロナウドに彼は称賛を惜しまない。
「ブラボー、クリスティアーノ。ここまで君が成し遂げたすべてに私は感謝したい。君の監督であることをとても誇りに思うし、それを公に言葉にできるのもとてもいいことだと私は思っている」