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森岡隆三監督が体感したJ3の実態。
限られる予算とバス移動10時間。 

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寺野典子

寺野典子Noriko Terano

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photograph byJ.LEAGUE PHOTOS

posted2018/01/04 17:00

森岡隆三監督が体感したJ3の実態。限られる予算とバス移動10時間。<Number Web> photograph by J.LEAGUE PHOTOS

森岡隆三にとって初のトップチーム経験は苦いシーズンとなった。しかし鳥取での戦いはまだ続く。

放映権料は上がっても、J3の分配金はわずか。

 Jリーグは加盟クラブの増加を目指している。

 今シーズンからは放映権契約をDAZNと結び、今までにない高額な放映権料を手にした。とはいえ順位に関わらない分配金は、1クラブにつき、J1が3億5000万円、J2が1億5000万円、J3が3000万円と上に厚く、下には薄い。この現状では、森岡が語るようなJ3クラブの資金難や苦境が抜本的に解決できるわけではない。J3参加クラブ増加が進めば、試合数は増えるが、アウェーへの移動など、さらなる苦境を導くことになるだろう。

 長時間のバス移動を強いられる環境では、ピッチ上で最高のパフォーマンスを発揮することも難しい。しかし、クラブの努力だけで改善するには限度もある。Jリーグができること(たとえば東西リーグに分けるなど)も、少なくないだろう。

 地方で奮闘するJ3リーグのクラブすべてが、森岡のような想いを抱いているはずだ。それはサポーターも同様だろう。サッカー熱の底上げ、サッカー文化の定着に彼らが果たす役割は大きい。だからこそ、JリーグにはJ3の実態を看過してほしくはない。

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