酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
日本の野球を「学年」で考える。
イチロー世代の現役は既に1人だけ。
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byGetty Images
posted2017/12/27 11:00
1973年度生まれ世代における問答無用のフラッグシップ、イチロー。既に引退した同世代たちは、彼の活躍をわがことのように喜んでいるに違いない。
松坂世代は、実は名球界の条件を満たす人がまだ0人。
続いて件の「松坂世代」1980年度生れだ。
<打者>
村田修一 12月28日生(NPB 1865安打)前巨人
東出輝裕 8月21日生(NPB 1366安打)
小谷野栄一 10月10日生(NPB 1212安打)オリックス
梵英心 10月11日生(NPB 990安打)前広島
森本稀哲 81年1月31日生(NPB 904安打)
<投手>
松坂大輔 9月13日(NPB 108勝 MLB 56勝)前ソフトバンク
杉内俊哉 10月30日生(NPB 142勝)巨人
和田毅 81年2月21日生(NPB 126勝 MLB 5勝)ソフトバンク
久保康友 8月6日生(NPB 97勝)前DeNA
館山昌平 81年3月17日生(NPB 85勝)ヤクルト
藤川球児 7月21日生(NPB 50勝223セーブ MLB1勝2セーブ)阪神
永川勝浩 12月14日生(NPB 36勝165セーブ)広島
松坂大輔を筆頭に野球ファンを熱中させた「松坂世代」だが、200勝、250セーブ、2000本安打(日米通算もOK)という「名球会」の基準をクリアした選手は実は1人もいない。
村田修一があと135安打で2000本、藤川球児があと25セーブで250セーブだ。村田はチームが決まりレギュラーになれば難しくない数字だが、まだチームが決まらない。藤川も、強力な阪神の救援陣でクローザーを任されるチャンスはまずないだろう。
94人がプロ入りしたが、今オフ時点で現役は19人。このうち5人が戦力外となり、さらに松坂大輔、久保康友、村田修一、梵英心の4人が所属チームを離れ、去就が決まっていない。37歳はまだ野球ができる年齢だ。何とか頑張ってほしい。