酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
日本の野球を「学年」で考える。
イチロー世代の現役は既に1人だけ。
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byGetty Images
posted2017/12/27 11:00
1973年度生まれ世代における問答無用のフラッグシップ、イチロー。既に引退した同世代たちは、彼の活躍をわがことのように喜んでいるに違いない。
まだ誰が抜け出すか予断を許さないハンカチ世代。
今、脂が乗りきっているのが「ハンカチ世代」1988年度生まれだ。
<野手>
坂本勇人 12月14日生(NPB 1559安打)巨人
秋山翔吾 4月16日生(NPB 1031安打)西武
柳田悠岐 10月9日生(NPB 754安打)ソフトバンク
梶谷隆幸 8月28日生(NPB 646安打)DeNA
堂上直倫 9月23日生(NPB 360安打)中日
<投手>
田中将大 11月1日生(NPB 99勝 MLB 52勝)ヤンキース
前田健太 4月11日生(NPB 97勝 MLB 27勝)ドジャース
吉川光夫 4月6日生(NPB 49勝)巨人
澤村拓一 4月3日生(NPB 44勝73セーブ)巨人
石川歩 4月11日生(NPB 39勝)ロッテ
もはや「ハンカチ」の語源がよくわからなくなっている。
当初は田中将大との投げ合いで甲子園を沸かせた斎藤佑樹(日本ハム・6月6日生)がフラッグシップだと思われていた。しかし斎藤はキャリア7年で15勝どまり。
好敵手マー君こと田中将大や前田健太がNPBで90勝以上を挙げてMLBに移籍したのに比べて、大きく水をあけられた。
もう「ハンカチ」ではないはずだが、多士済々で誰が世代を代表するのか見えてこない。
打者では29歳にして1500安打を打った巨人の坂本、さらにNPBシーズン最多安打記録を更新した西武の秋山翔吾、トリプルスリーのソフトバンクの柳田悠岐、遅れては今季首位打者を取ったDeNAの宮崎敏郎(12月12日生NPB302安打)なども名乗りを上げた。
投手では、マー君、マエケンに次いで巨人の吉川光夫、同じく巨人の抑えのエース澤村拓一、6位以下には楽天の塩見貴洋(9月6日生NPB 37勝)、今季、セットアッパーとして抜群の働きをした楽天の福山博之(89年3月27日生 16勝88ホールド)などもいる。
この世代からは「名球会」にかなりの選手が入りそうだ。松坂世代を超える大豊作になるだろう。
この世代が最終的に何と呼ばれるかは、あと10年くらい見ないとわからないのではないか。