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男子バレー元エース33歳の新天地。
なぜ越川優はビーチに転向したか。
text by
市川忍Shinobu Ichikawa
photograph byMakiko Nawa
posted2017/12/12 11:00
屋内コートからビーチへ。越川の決断は何より、五輪への想いの強さからだった。
転向3カ月目にして準決勝進出という異例の成果。
8月26、27日に開催された「ジャパンビーチバレーボールツアー2017」第7戦で、越川は転向3カ月目にして準決勝進出という成果を挙げた。ビーチバレー関係者によれば、このスピードでの上位進出は異例中の異例だという。ペアを組んでわずか5日間で、今大会に出場することになった長谷川徳海(はせがわ・よしうみ/愛媛県競技力向上対策本部)は試合後にこう語った。
「細かい指示を出さなくても、僕の動きを見てトスを上げてくれる。合わないときには僕のプレーを見ただけで、なぜ合わないのかを感覚的に察することができる。何度もやりとりをしなくても、すぐに修正が完結するんです。そういう能力はすでにビーチのトップ選手と変わらないと思います」
越川がインドアで培ってきたテクニック、洞察力、経験値は新しいステージでも彼の大きな武器となっている。
東京が熱気に包まれるであろう3年後、越川は今よりももっと成長した姿を見せてくれているはずだ。
(Number臨時増刊号『ビーチバレーボール越川優「挑戦の連続が自分の信念」』より)