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イングランド代表への期待度低っ!
9割が「優勝はない」と結果を悲観。

posted2017/12/05 08:00

 
イングランド代表への期待度低っ!9割が「優勝はない」と結果を悲観。<Number Web> photograph by Getty Images

マラドーナの「神の手」は、今回はイングランドに有利に働いた……ように見えるが果たして。

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山中忍

山中忍Shinobu Yamanaka

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 イングランドは変わった。

 と言っても、全国民とも言えるイングランド代表ファンのことだ。当の代表チーム自体は、まだまだ復興の途中。ガレス・サウスゲート体制2年目のイングランドは、ウェイン・ルーニーが「過去の人」になり、“スリー・ライオンズ”から“ヤンガー・スリー・ライオンズ”へと変わり始めたばかりで、11月の国際親善試合から基本化された3-5-2システムを含めて、変身の最中にある。

 だがイングランドのファンは、すっかり変身を遂げ終えたようだ。国際大会の度に過剰な期待を代表に抱いていた「サッカー発祥国」の国民が、極めて控え目なのだ。

 見事な期待外れに終わった2014年W杯以来、代表への期待値は下がる一方だったとはいえ、いざ国際大会が近づきグループステージでの組分け抽選にも恵まれれば、「ひょっとしたら」以上の期待が巷の声にも、メディアの報道にも感じられた。だが12月1日に2018年W杯ロシア大会の抽選が行われた後のムードは、これまでと明らかに違う。

チュニジア、パナマと同組でも、強気は顔を出さず。

 組分けの結果は、ベルギー、チュニジア、パナマと同居するグループG。

 初戦で当たるチュニジアは、アフリカ勢の中では与しやすい相手。続くパナマとの一戦も、中米最弱の初出場国との対戦と理解できる。残るベルギーは強敵だが、いわゆる「黄金世代」が本大会で不発に終わる可能性を経験から悟っているイングランド国内では、ベルギーに対して「ここ一番での信頼性が疑問」という見方も強い。

 プレミアリーグでの監督時代から、ロベルト・マルティネス体制の弱点とされる「守備の組織力不足」は、ベルギー代表監督になっても変わっていないと見られている。

 しかも首位決定戦となりそうなベルギーとの対決は、例年スロースターターのイングランドには好都合なグループ最終戦。加えて、自国にとっての開幕戦が大会5日目であるタイミングも、ハードなプレミアリーグのシーズンを終えて間もないイングランドにとっては有り難い。

 となれば、「楽勝グループ」に入ったとして国内が沸いていても不思議ではなかった。それが、「グループ・オブ・デス(死の組)」ならぬ「グループ・オブ・ホープ(希望の組)」と呼ばれ、勝ち抜けの可能性があるという程度の受け止め方にとどまっているのだ。

【次ページ】 優勝の噂が始まりそうな組合せだが……。

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