フランス・フットボール通信BACK NUMBER
ロシアW杯不出場のアフリカの巨象。
コートジボワール代表、崩壊の課程。
posted2017/12/07 08:00
text by
フランク・シモンFrank Simon
photograph by
Alain Mounic
コートジボワールがロシアワールドカップ出場を逃したのは、イタリアの60年ぶりの欧州予選敗退ほどにはショッキングでなかったものの、それでも十分にセンセーショナルであった。
『フランス・フットボール』誌11月21日発売号は、コートジボワールのW杯予選敗退を取り上げている。
過去3大会連続で本大会に出場し、2015年のアフリカチャンピオンでもあるコートジボワールが敗れた原因はどこにあったのかを、フランク・シモン記者がレポートしている。彼の分析を読むと、'15年のアフリカ・ネーションズカップ優勝が、アカデミー黄金世代の、蝋燭の最後の輝きであったことがよくわかる。
監修:田村修一
いろんなことが「半年間」で起こるものだ。
バビには憂鬱がある。
“バビ”とはコートジボワール人が名づけた旧首都「アビジャン」の愛称である。
同国最大の都市で経済の中心でもあるアビジャンは、サポーターたちの熱い期待を打ち砕いた。今から半年少し先に開催されるワールドカップ本大会に、コートジボワールは駒を進められなかった。
半年とは、2014年7月にエルベ・ルナールがコートジボワール代表監督としてアビジャンに赴任し、赤道ギニアでおこなわれたアフリカ・ネーションズカップ(CAN)で優勝するまでの時間であり、コートジボワール・サッカー協会(FIF)が2017年3月に監督に就任したマルク・ビルモッツにワールドカップ予選突破を託した時間でもある。
11月11日におこなわれたホームでの最終戦、勝てば突破が決まったモロッコ戦をコートジボワールは0-2で落とした。
それから4日後にFIFは僅か3行の短いコメントを配信し、シディ・ディアロ会長の名のもとにビルモッツの解任を発表した。
少なくとも形の上では、双方の合意に基づく円満な退任であった。