プレミアリーグの時間BACK NUMBER
イングランド代表への期待度低っ!
9割が「優勝はない」と結果を悲観。
text by
山中忍Shinobu Yamanaka
photograph byGetty Images
posted2017/12/05 08:00
マラドーナの「神の手」は、今回はイングランドに有利に働いた……ように見えるが果たして。
「ミッション・ポッシブル」という程度の表現。
机上の理論で物を言えば、イングランドがグループステージ敗退で「神の手の御加護」を無駄にしてしまう可能性は非常に低い。しかし、そこは2010年の南ア大会でも、アメリカ、スロベニア、アルジェリアとのグループで突破に苦労した過去を持つイングランド。『ガーディアン』紙などが、ロシアでのグループG突破を「ミッション・ポッシブル」として、不可能ではないという程度の表現にとどめている感覚も理解できる。
チュニジア戦は、「黒星発進だけは避けるべし」というグループステージの鉄則を地でいくタイトな90分間になりかねない。
ただでさえ、4-2-3-1を基本システムとするチュニジアの中盤中央には、スタミナもあるボールハンターが2名いる。エルナン・ダリオ・ゴメス監督が「経験を楽しむこと」と発言しているパナマには、初体験のW杯で失うものなど何もないチームとしての強みがあるとも言える。その一方で、今回が自身3大会目のW杯となる指揮官は、イングランド指揮官の経験値をはるかに上回っている。
CF以外は、どのポジションもベルギーが格上。
プレミアリーグ対決とも言うべきベルギーとの試合では、相手の主力に格上のプレミアリーガーが多い状況だ。
自軍のハリー・ケインに対して敵軍のロメル・ルカクが対峙するCFは互角かもしれないが、エースのサポート陣では、イングランドのデレ・アリやラヒーム・スターリングを、ベルギーのエデン・アザールとケビン・デブライネが上回るだろう。
守備陣にしても、ジョン・ストーンズが要となるイングランドの3バックを、トッテナムでプレミア最強との評判もあるCBコンビを組む、トビー・アルデルバイレルトとヤン・ベルトンゲンを擁するベルギーが安定度で勝ると考えられる。
GKは、イングランドがベテランのジョー・ハートと若いジョーダン・ピックフォードのどちらを選んだとしても、間違いなくベルギーのティボウ・クルトワに軍配が上がる。