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阪神ドラ5谷川昌希はタフな成長株。
先輩・ロッテ有吉優樹からのエール。 

text by

永田遼太郎

永田遼太郎Ryotaro Nagata

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photograph byKyodo News

posted2017/11/26 11:30

阪神ドラ5谷川昌希はタフな成長株。先輩・ロッテ有吉優樹からのエール。<Number Web> photograph by Kyodo News

1週間に6試合戦うプロの場では何試合も投げられるタフさは武器となる。谷川は甲子園のマウンドで持ち味を発揮できるか。

谷川のポテンシャルについて有吉に聞くと……。

 自身の体調をきっちりと把握し、本番では自分の出来る最大限のピッチングを披露する。そういう大人の投球が、この1年で出来るようになったと、周囲の関係者も高く評価している。

 その歩みも相まって、ドラフト会議では阪神タイガースからドラフト5位で指名を受けた。正直、彼の実力を思えば指名順位はもう少し上でもいいかとも思えたが、それは今後の彼の活躍で徐々に証明されるはずだ。

 谷川の秘めるポテンシャルについて、有吉もこんなことを話していた。

「今年は先発を任されていたようですけど、アイツは中継ぎとか後ろの方が合っていると僕は思いますよ。140キロ前半だったストレートも1イニング限定なら140キロ後半までは全然出せますし、もっと良くなってくると思います」

 今年2月の石垣島春季キャンプ初日から8日間連続でブルペンに入って、周囲を驚かせた。

「僕にとっては正直普通のことでした。また毎日ブルペンに入る中でも、どちらかというと球数は少ない方ということおあって、別に負担というほどでもなかったです。だから来年、谷川がプロでやることになっても僕と同じように毎日ブルペンに入ることが出来ると思っています」

「投げた分だけ体も強くなったのかなって」

 谷川と有吉は、大会前に150球以上の投げ込みを己に課して、投げる体力をつけてきた。有吉が今年、新人ながら中継ぎで53試合に登板して防御率2.87の好成績を残したのも、谷川が数々の大会で連投を重ねることが出来たのも、その積み重ねが大きい。

「僕も谷川が来る前の1年は毎回、僕が最後まで投げ切るつもりで、自分でしっかり考えて練習してきました。普段の練習から投げ込む量も全然違いましたし、その投げた分だけ体も強くなったのかなって思います。それだけ環境も厳しかったですし」

 慣れないプロの環境で、有吉は1年間一軍に居続けた。ルーキーながらシーズンを乗り切れた強さが根底にあるような気がした。

【次ページ】 同じドラフト5位、有吉の活躍に続けるか。

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