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ラグビー史上最高の司令塔に直撃。
ダン・カーター流、SNS活用術って?
posted2017/11/24 11:00
text by
朴鐘泰Park Jong Tae
photograph by
Kiichi Matsumoto
吉報は何の前触れもなく、突然やってくるから困ったものだ。
「急きょ、インタビューできるようになりましてね」と社内のYさん。対象はなにせ、“ラグビー史上最高のスタンドオフ”である。断る理由がない。で、いつですか?
「それが明後日なんですよ」
まあいいや、まだ48時間ほど仕込みに使える。場所は「エスパス タグ・ホイヤー銀座」にて。で、取材トータルのお時間はどれほど?
「たぶん30分くらいですねえ」
取材トータルの時間とは、インタビュー+写真撮影に費やせる時間のこと。仮にパパパッと5分で写真を撮ったとしても、残り25分。英語の通訳を介すから、実質、話ができるのは10分程度である。
……こみ入った話は無理だな。ラグビーの話をメインで聞くのは、早々にあきらめた。
いやいや、世界に名だたるあのダン・カーターに取材できるっていうのに、ラグビーの話聞かないって、頭おかしいんじゃないか? と思われるかもしれないが、僕は女子のラグビー日本代表選手の記事を書くにあたって、その選手お手製のお弁当を食べるような人間である。いくら相手が世界一の司令塔とはいえ“普通”の原稿は書きたくないのだ。
ラグビー話するの、飽きてるだろうなと読んで……。
カーターの来日スケジュールは4日間で、僕たちの取材が終わった後の夜、所属するラシン92に合流するためフランスへ戻るという。まさに強行軍だ。彼が来日していることはすでにいろんなニュースサイトが報じていて、日本という国・文化への感想や日本ラグビーについてもいろんなコメントを残している。
いくら常人離れしたタフネスを誇るラガーマンでも、このスケジュールだとさすがにラグビーの話するの、飽きてるだろうな、というのが読みのひとつでもあった。カーター自身も同じことを何回も聞かれるのはイヤだろうし、繰り返し既出のコメントを聞いて記事にしても、面白くも何ともない。
じゃあ何聞く? と、ネットで調べているうちに、あることに気付いた。