ワインとシエスタとフットボールとBACK NUMBER
オシムは今も日本を気にかけている。
「ハリルホジッチはどうしている?」
text by
田村修一Shuichi Tamura
photograph byUEFA/UEFA via Getty Images
posted2017/11/16 11:30
W杯予選で敗退したボスニア・ヘルツェゴビナ代表のスタンド風景。オシム自ら代表監督としてイタリアW杯でベスト8に導いているだけに、悲しみも深い。
まるで東京のようにサッカーで賑やかになったサラエボ。
「(君と私に関わる)お世話になった日本の皆さんは元気だろうか?」
――ええ、あなたはどうなんですか?
「もう少し休養は必要だ。ときどき脚や他の部分に痛みを覚える。筋肉や靭帯へ負担がかかるのは仕方がないことだ。痛みを抑える薬を飲んでいるが、それらはちょっと危険でもある。かなり強めの薬だからだ。
私が今も後悔しているのは、東京ですぐに手術をしなかったことだ。倒れた後、すぐに脚などの手術をしていれば……。ここでも今は、状態をよくするために手術をした方がいいのではないかと医者が考えるようになったからね。
もっと試合を見に行きたいのだが……サラエボもまるで東京のようになったのだよ。街全体がサッカーで盛り上がっている。1日に3~4試合を見ることさえできるようになった。
ただ、さすがにすべてを見ると、私もちょっともう十分だという気分にはなるがね(笑)。
だから良い試合を選ばないといけなくなった。なるべく知ってる選手や監督、また知り合いの息子などがプレーしているチームを見るようにしている。これからモスタルの試合を見に行くつもりだ。モスタルとシロキの対戦で、シロキもモスタルに近いチームだ。ダービーみたいなものだ」
「あなた方は、やるべきことをやっている」
「そういえばハリルホジッチはどうしている?」
――W杯予選を突破して批判はおさまりました。今は11月に欧州でおこなわれる2つの親善試合の準備をしています。フランスでの日本対ブラジル戦と、ベルギーでのベルギー対日本戦です。
「つまりあなた方は、やるべきことをやっているということだ。早い時期に予選突破を決めたのだから、本大会に向けて非常に強い相手と対戦し、気になる選手のテストもできるわけだ」