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大谷翔平、低年俸でメジャー挑戦?
皆が幸せになる交渉の落とし所は。
text by
ナガオ勝司Katsushi Nagao
photograph byNanae Suzuki
posted2017/11/15 08:00
2016年にMVPを受賞した大谷翔平の今季年俸は2億7000万円(推定)。果たしてメジャー各球団はどのような金銭提示をするのか。
「労働に対する正当な対価」を生み出すために。
メジャーリーグの年俸調停権は、日本のプロ野球のように契約更改がモメた時のためではなく、「労働に対する正当な対価」を生み出すために機能している。
だから大谷がメジャー1年目となる2018年にメジャーで新人王やサイヤング賞投手の投票3位以内に入るとか、メジャーで180イニング以上(2017年は35人)投げる等、「投手でも打者でも上位22%に入る活躍をした」と認められれば「スーパー2」という扱いになって年俸調停権を取得できる。そうなればメジャー最低年俸からの大幅昇給が確実になる。
誇大な表現でも何でもなく、日本プロ野球のスター選手である大谷には、現時点で若かりし頃のアルテューベやカーショーに匹敵する「将来への期待」がかかっている。
それなのに彼は――これから「あっ」と驚くようなどんでん返しでもない限り――中南米出身の16歳から24歳の有望なアマチュア選手と同じ待遇を受けるのだ。
それに違和感を持たない方がおかしいし、後に続くかも知れない日本の若者たちのためにも、大谷のメジャー挑戦がメジャー球団や北海道日本ハムだけではなく、誰もがハッピーになれるようなものになればいいのにな、と思う。本当に。