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大谷翔平、低年俸でメジャー挑戦?
皆が幸せになる交渉の落とし所は。
text by
ナガオ勝司Katsushi Nagao
photograph byNanae Suzuki
posted2017/11/15 08:00
2016年にMVPを受賞した大谷翔平の今季年俸は2億7000万円(推定)。果たしてメジャー各球団はどのような金銭提示をするのか。
最良の形はアルトゥーベ、カーショウから学べ。
だから最良のシナリオは、大谷が単年契約で契約満了後にフリーエージェントとなる項目を付け加えることだが、譲渡金に2000万ドルも注ぎ込むメジャー球団がそれを了解するわけがない(したら驚きだ)。
だから、複数年契約は仕方ないとしても、1年目からメジャーリーグで活躍して、なるべく早い段階で契約の延長、つまり見直しをすることだ。
たとえば今年のワールドシリーズ王者アストロズの中心選手ホセ・アルテューベ二塁手は、年俸調停権を得るメジャー3年目の2013年に(翌年からの)4年1250万ドルの複数年契約を交わして現在に至っている。アルテューベがその後、4年連続シーズン200安打以上、3度の首位打者を獲得したことで、それでも格安契約になった。
カーショーは5500万円→8億2500万円になった。
今季、ダルビッシュ有、前田健太両投手のチームメイトだったドジャースの左腕エース、クレイトン・カーショーも年俸調停権を取得する2011年オフに2年総額1900万ドル(20億9000万円)の複数年の契約延長をして、同年の年俸50万ドル(5500万円)から翌年の750万ドル(8億2500万円)に大幅昇給。その後も安定して活躍したことで契約満了後には、現在の7年総額2億1500万ドル(236億5000万円)の大型契約を勝ち取っている。
大谷は原則的にメジャー歴3年を経るまでは年俸調停権を得ることができないので、最初の3年間はメジャーで最多勝投手になろうが、30本塁打を打とうが、新人王をはじめとする個人タイトルを獲得しようが、所属球団の言い値で契約しなければならない。
だが、それぐらいの活躍を1年目からできれば、メジャー歴2年で例外的に年俸調停権を取得することができる。