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イブラ、ネイマールが一目置く男、
カバーニがPSGで布教する“謙虚さ”。
text by
フランス・フットボール誌France Football
photograph byAlexis Reau/L'equipe
posted2017/11/06 17:00
カバーニが大事にしている“謙虚さ”。ピッチから離れた彼は、非常に穏やかで思慮深く、家族思いの男であった。
結局、レアルに行ったのはイグアイン。
熟考の末にカバーニは、キエフのオファーを断った。だがそのころになると、ヨーロッパのビッグクラブは彼を放ってはおかなかった。
パパザンが当時を振り返る。
「飛行機から降りると、カスティージャ(レアル・マドリーのリザーブチーム)の監督だったミチェルからの電話を受けた。『カバーニをカスティージャからデビューさせるのは可能だろうか? そして、その半年後にレアルのトップチームに移籍させるのは? 彼は僕の凄く好きなタイプだ』とミチェルは言った。
だが最終的にレアルが契約したのは、彼ではなくゴンサロ・イグアインだった」
「彼は絶対に得点しない」と言い放った男。
「ザンパリーニ(2002~2017、パレルモの名物会長)はちょっと優柔不断だった。
『ウルグアイ人選手がイタリアで成功した例はとても少ない』と、彼は不安を吐露した。だがモンテッロやフランチェスコリ、レコバ、サライエタらの例を考えれば、彼が間違っているのは明らかだった。
彼の説得には成功したが、このミラノのホテルで合意に達してフォスキ(パレルモのスポーツディレクター)がすべての書類を送ったときに、イタリアの複数クラブと仕事をしているあるウルグアイ人代理人がフォスキにこう言った。
『あなたがたが獲得したのは無能な選手だ。彼は絶対に得点しない』
フォスキは私を見てこう言いたげだった。『いったい彼は何を言っているのだ?』と。だから私は『言わせておけばいい。これから事実がすべてを証明するから』とフォスキに言った」(ジュゼッペ・コルティ、パレルモのスカウト)