フランス・フットボール通信BACK NUMBER
イブラ、ネイマールが一目置く男、
カバーニがPSGで布教する“謙虚さ”。
text by
フランス・フットボール誌France Football
photograph byAlexis Reau/L'equipe
posted2017/11/06 17:00
カバーニが大事にしている“謙虚さ”。ピッチから離れた彼は、非常に穏やかで思慮深く、家族思いの男であった。
街で見かけた貧しい男を放っておけず……。
「カバーニはたしかマックスという名の男の面倒を見ていた。ガーナ出身の若者で、スーパーマーケットの前にずっと立っていて、買い物客が荷物を車に運ぶのを手伝っては小銭を稼いでいた。
カバーニは彼の窮状を放ってはおけず、定期的に家に呼んでは食事を与えていた。
そうしてふたりの間に友情が芽生え、カバーニは彼を良い条件で手伝いとして雇うまでになった」(ファブリチオ・ビターレ、『ガゼッタ・デロ・スポルト』記者)
ナポリでの暴行事件と熱狂。
「練習を終えて、僕らはエディの車で帰途についた。赤信号で止まると、バイクが僕らの隣に寄せてきた。後ろに座った男がチェーンを取り出して、エディの車のウィンドウを叩き割ったんだ。
エディがあわてて発進したから、バイクは追ってこられなかったけど……。とにかく恐ろしかったんだ。(……)エディにとっても忘れられない出来事でもあった。彼には恐れるものは何もなく、あの男たちを怖がってもいなかった。ただ彼にも家族があるからね……」(ニコラス・ベルトロ、元パレルモのアルゼンチン人選手)
エディンソンの家の前には常にファンがたむろしていて、彼に様々なプレゼントを贈っていた。絵画や彼を描いたイラスト、料理からまだ小さかった長男バウティスタへのおしゃぶり――ベビー・マタドールと書かれていた――まで。
2011年10月のある土曜には彼の家が空き巣に襲われた。誰も犯人の姿を見てはいないが、父親のルイスによれば通常のものとりではなかったという。
「金目のものには全く目もくれずに、ユニフォームやTシャツ、ショーツ、スパイクなんかを持って行ったんだ」