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短期決戦と剛腕の用心棒。
ダルビッシュ&マエケン世界一へ。
text by
芝山幹郎Mikio Shibayama
photograph byGetty Images
posted2017/10/26 11:30
優勝するための戦力としてドジャースに加わったダルビッシュ。ワールドシリーズこそが、真価を問われる場所なのだ。
ドジャースがあっさり29年ぶりの優勝?
こう書き連ねてくると、総合力でドジャース有利の予想は否みがたい。両チームの監督を比べても、ロバーツはA・J・ヒンチより緻密な采配をふるう。難点があるとすれば、緻密なつもりで神経質な小細工に走りやすい点だが、これは本人も用心しているはずだ。
ただ、繰り返していうと、短期決戦には思わぬ落とし穴が少なくない。半ば眠っているアストロズ打線を起こさなければ、ドジャースが意外にあっさりと29年ぶりの優勝をさらう可能性も考えられるだけに、カギになるのはヴァーランダーの踏ん張りだろう。アストロズにしてみれば、敵地に乗り込む最初の2連戦で、なんとか1勝をもぎ取りたいところだ。それにしてもロバーツ監督、もうちょっとダルビッシュを見せてくれてもいいのではないか。