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浦和→代表→海外のはずが……。
19歳伊藤涼太郎、J2水戸で再出発。 

text by

安藤隆人

安藤隆人Takahito Ando

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photograph byTakahito Ando

posted2017/10/20 10:30

浦和→代表→海外のはずが……。19歳伊藤涼太郎、J2水戸で再出発。<Number Web> photograph by Takahito Ando

1年目の時にイメージしたプロ生活とは違うかもしれない。それでも伊藤はまだ序列を一気に好転させるポテンシャルの持ち主である。

試合時間が短くなるのと比例して、険しい表情に。

 しかし、4試合連続出場を狙った第37節・岡山戦のことだった。この試合は雨の中、1点を争う試合となった。

 56分にMF内田航平のゴールで水戸は先制点を挙げてリードを奪った。その後もこう着状態が続いたが、西ヶ谷隆之監督からは一向に名前を呼ばれない。ピッチサイドでアップをする伊藤の表情が、時間を追うごとにみるみる険しくなるのが分かった。

 残り時間10分、5分、アディショナルタイム……。

 険しい表情のままピッチを睨みつけるように見つめる。3枚目の交代カードが切られると、彼は悔しさを滲ませる表情を見せ、アップエリアからベンチに引き下がった。連敗を止める勝利に何も貢献できなかった。

チームが勝っている状況で起用される選択肢にない。

 試合後、彼と会話を重ねる中で「なぜ今日、自分に出番が来なかったと思う?」と、少し意地悪な質問をしてみた。すると、彼は「シンプルに勝っている状況で、監督に僕と言う選択肢がなかったと思います」と返して来た。

 続けて筆者は「もっと『守備ができる』、『アップダウンできる』という能力が備わっていたら、使われていたかもしれない」と返すと、伊藤はこう答えた。

「俺もそう思います。もっと守備ができるか、もっと運動量で攻守の切り替えが速かったら、この展開でも使ってもらえたと思います。これは西ヶ谷監督にも言われたのですが、このチームでサイドをやるには、ボールを奪ってから爆発的なスピードが求められる。まだ自分はそういうものがないので、スタートからサイドで起用されるのは難しいと考えられていると思う。守備もきちんとできて、かつ得点にも絡める。そういうところがまだまだ足りないと思うし、ここで養っていきたい」

【次ページ】 森保さんが五輪監督になって、新たなチャンスが。

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