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またも名将に認められた長友佑都。
インテルで先発奪回の要因とは何? 

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弓削高志

弓削高志Takashi Yuge

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posted2017/10/18 11:00

またも名将に認められた長友佑都。インテルで先発奪回の要因とは何?<Number Web> photograph by Getty Images

今季初のミラノ・ダービーでは大型補強のミランから終了間際の勝ち越し弾で劇的な勝利を飾った。長友もスパレッティ監督の信頼を完全につかんだ。

「監督が勝者のメンタリティを植え付けている」

 長友は続けた。

「8試合を終えて、監督が勝者のメンタリティを自分たちに植え付けてくれていると感じる」

 スパレッティは“山野と土の人”だ。

 オフには故郷トスカーナの片田舎でトラクターを操り、大地を掘り起こして葡萄畑の手入れに勤しむ。子供の頃には、大人たちに混じって野ウサギ狩りに駆け回った。

 数百万ユーロの禄を食み、日々華やかな世界に身を置く人間にしては少々奇特な存在だが、評価したいのは実直さや日々の労働を尊ぶ、その人間性だ。

 ある難しい試合を制した後、こう言った。

「鏡に映る己の姿を決めるのは“何を言ったか”ではない。“何をやったか”だ」

 彼が夏に耕し、種を蒔いたチームは発芽し、たくましく育っている。

「2位にいるのは気分がいいな。しかし……」

 ダービーでは、後半にミランの交代策に翻弄され、堅守を乱されたが、主将イカルディが批判をはね返すトリプレッタ(ハットトリック)で劇的な勝利を収めた。

 普段冷静な指揮官も、タイムアップ後ピッチにかけ出て、選手たち一人ひとりに熱いハグを浴びせた。

「2位にいるのは気分がいいな。しかし、先は長い。根っこや幹が大事なのだ」

 ユーモアを交えながら、慎重に言葉を選ぶ。

「私がやろうとしているコンセプトはまだ端緒についたばかり。本当の“スパレッティのインテル”をお見せできるのがいつになるのか、私にもわからない。それでも、選手たちの反応は上々だと思っている」

 次節の相手は、開幕8連勝で最強の名をほしいままにするナポリだ。

 王者ユベントスが約2年ぶりにホームで破れる波乱も起こり、イタリア半島はにわかに沸き立つ。

「(8節の)ローマ戦も見たけど、ナポリは今、世界で1、2を争うくらい、いいサッカーをしている」(長友)

 復活した長友とインテルが挑む今週末のセリエA首位攻防戦は、必見の大一番になるだろう。

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