セリエA ダイレクト・レポートBACK NUMBER
爆買い補強でもミランは低空飛行。
モンテッラ解任危機を救うのは誰?
text by
弓削高志Takashi Yuge
photograph byAFLO
posted2017/10/06 08:00
10代にして頭角を現しつつあるクトローネ。モンテッラ監督の現役時代を想起させるゴールセンスは、指揮官を救うことになるか。
「4強はローマとユーベ、ナポリとインテルだ」
次節の相手は、未だ負けなしで意気上がる3位インテルとのミラノ・ダービーだ。現実に直面するモンテッラの表情は青ざめている。
「この夏、ミランは多くの補強をして、周囲からのお世辞や褒めそやす声が絶えなかった。我々はこれに油断してしまった。相手よりいいサッカーをして勝つ、なんてことがつねに許されるほど、イタリアのサッカーは甘くない」
ローマ時代の古い戦友カンデラは、非情に言い放つ。
「今季の4強? ローマとユーベ、それにナポリとインテルで決まりだ」
“爆買い”の夏の間、巷では「今季のミランにプレッシャーはない。伸び伸びとプレーできるからスクデット争いのダークホースになれる」という声を盛んに聞いた。
しかし、300億円も費やした挙句、もし4位にも入れなかったら? イタリアでは確実に末代までの恥、未来永劫物笑いの種だ。
今はまだ300億円をかけた寄せ集め集団にすぎないミランが、チームとして1つになれるか。
代表ウイーク明けのミラノ・ダービーは、ミランと監督モンテッラにとって早くもシーズンの山場だ。