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爆買い補強でもミランは低空飛行。
モンテッラ解任危機を救うのは誰? 

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弓削高志

弓削高志Takashi Yuge

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posted2017/10/06 08:00

爆買い補強でもミランは低空飛行。モンテッラ解任危機を救うのは誰?<Number Web> photograph by AFLO

10代にして頭角を現しつつあるクトローネ。モンテッラ監督の現役時代を想起させるゴールセンスは、指揮官を救うことになるか。

攻撃陣では19歳のクトローネがラッキーボーイに?

 新加入選手ばかりのチームにあって、救いは攻撃陣がコンスタントに点を取っていることだ。

 ポルトガル代表FWアンドレ・シウバは予選を含むELの舞台で6ゴールと大暴れ中で、実績あるFWカリニッチも4節ウディネーゼ戦でドッピエッタ(2得点)を決めた。

 思わぬ掘り出し物は、2年目のFWクトローネだろう。ミラン育成部門上がりの19歳は、クラヨーバ(ルーマニア)とのEL3次予選でプロ初ゴールを上げると、続くKFシュケンディア(マケドニア)とのプレーオフでも敵地で決勝点を挙げ、頭角を現した。

 セリエA開幕戦でも先発に抜擢されると、クロトーネ相手に1ゴール2アシストの大活躍。2節カリアリ戦でも得点し連勝に貢献。90分に2-2の同点とされたEL2節リエカ戦では、劇的なロスタイム決勝弾でチームを勝利に導いている。

 名ストライカーだった指揮官モンテッラの若い頃を思い起こさせる新鋭FWは、そう指摘されると謙遜しながら「監督の現役時代のプレーを研究している」と明かした。

 獲得に元手がかかっていない育成部門出身のクトローネの活躍は、ファッソーネCEOやミラベッリSDが大量に署名した小切手に対する痛烈な皮肉のようだが、コンスタントにゴールを重ね、勝負強さを見せる若武者はシーズンを通したラッキーボーイになりそうな気配すらある。

ミランは違約金を払えばモンテッラを解任できる。

 ただし、その前にモンテッラ自身がミランの監督としてシーズンを無事終えられるかが怪しくなってきた。

 サンプ戦の惨敗を受け、シーズン中の更迭の可能性が取り沙汰され始めたところで、CL2回優勝などミランで絶大な功績を残したOB監督アンチェロッティがバイエルンを解雇され、フリーの身になったからだ。

 モンテッラの現行契約には、ミラン側が違約金を払えば契約をいつでも無効にできる特記条項がある。経験豊かで誰もが敬服する名将を雇い入れられるのなら、今のミランならモンテッラへの違約金150万ユーロなど、はした金も同然だろう。

 ファッソーネCEOは早速アンチェロッティへ次期監督要請のコンタクトを取ったに違いない、とせっかちなミラニスタたちがSNS上で揶揄すれば、既存のメディアもそれに乗じて、連敗で弱り目の指揮官へ畳み掛ける始末。

 モンテッラは「何ならアンチェロッティに今すぐミランへ来てもらって、私の副監督をしてもらいたい」と彼一流のジョークで切り返したが、古巣ローマとの5位対決にあえなく敗れ、さすがに余裕がなくなってきた。

【次ページ】 「4強はローマとユーベ、ナポリとインテルだ」

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