炎の一筆入魂BACK NUMBER
カープ“谷間の世代”の象徴として。
中田廉と一岡竜司、中継ぎの本望。
text by
前原淳Jun Maehara
photograph byHideki Sugiyama
posted2017/08/28 17:00
2017年夏の甲子園で準優勝した広陵出身の中田。地元の強豪校から入団した経緯もあり、ファンの声援も大きい。
踏ん張ってきた中継ぎ陣に、最後の気力を。
周囲の反応と同じように、本人も「不思議な感じ」と笑う。
スポットライトが当たらないポジションで必死に戦い、好調のチームを支えてきた。
名脇役がいなければ、主役は輝かない。目に見えるものは、目に見えないものに支えられているのは、どこの世界も同じだ。
8月下旬、優勝へ突き進んでいた広島の勢いが弱まった。踏ん張ってきた中継ぎ陣が悲鳴を上げるように、失点を重ねた。24日までのDeNA3連戦は屈辱的な3戦連続サヨナラ負けを喫した。
ペナントレースは100試合を越え、体力以上に気力が大事になる時期に入った。
「しっかり調整して、また上がってきます」
降格を告げられた中田は前を向いた。8合目から頂点まで最後の力を振り絞る戦いに、気力はまだ十分に残っている。