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カープ“谷間の世代”の象徴として。
中田廉と一岡竜司、中継ぎの本望。

posted2017/08/28 17:00

 
カープ“谷間の世代”の象徴として。中田廉と一岡竜司、中継ぎの本望。<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

2017年夏の甲子園で準優勝した広陵出身の中田。地元の強豪校から入団した経緯もあり、ファンの声援も大きい。

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前原淳

前原淳Jun Maehara

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Hideki Sugiyama

 驚きの登録抹消だった。8月24日の公示。広島は右足首を剥離骨折した鈴木誠也とともに、中田廉の選手登録を抹消した。

 ここまで47試合に投げ、防御率は2.57。勝利の方程式にも入る働きを見せていた。特に得点圏に走者を置いた場面で多く起用され、相手に傾きかけた流れをことごとく引き戻してきた。満塁のピンチを無失点で切り抜けたのも、1度や2度ではない。特に7月30日のヤクルト戦は無死満塁からの登板ながら、1点も与えなかった。

 今季、広島先発投手の平均投球回は6回にも満たない5.99回。自然と中継ぎ陣にしわ寄せがくる。特に色濃く出るのが、セットアッパーにつなぐ役割を担うポジションだろう。決して目立たないが、縁の下で投手陣を支えてきた。

 今季、広島の中心は1989年世代('89年4月から'90年3月)。上位の田中広輔、菊池涼介、丸佳浩だけでなく、安部友裕や野村祐輔と投打の屋台骨を支えている。緒方孝市監督も「今年はタナキクマルの世代のチーム」と認める。

 一方で投手陣には先発の大瀬良大地、抑えも務めた今村猛、そして九里亜蓮らの'91年世代がいる。

勝利の方程式を務めると同時に、厳しい局面でも。

 2つの大きな世代に挟まれた中田、そして一岡竜司という'90年世代は、広島の中では“谷間の世代”である。シーズンでも華やかなスポットライトを浴びる世代に隠れながらも、谷間の世代が下支えしてきた。そして、そこで彼らはそれぞれの存在価値を示すように右腕を振っている。

 中田は勝利の方程式の一角に入りながらも、先発が招いたピンチの場面で登板する役割も担ってきた。一岡もリードした6回や7回だけでなく、僅差で追う展開でもマウンドに上がった。昨季同じようなポジションを任され、今季は抑えも務めた今村でさえ「7回が一番しんどいと思う」と言う役割を2人が担ってきた。

【次ページ】 意図して「力みながら投げる」練習に取り組んだ。

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