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信長と山崎武司とおろしかつ丼。
岐阜→大阪連戦という野球観戦の妙。 

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中溝康隆

中溝康隆Yasutaka Nakamizo

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photograph byYasutaka Nakamizo

posted2017/08/17 11:00

信長と山崎武司とおろしかつ丼。岐阜→大阪連戦という野球観戦の妙。<Number Web> photograph by Yasutaka Nakamizo

美味しい食べ物が、人生における大きな決断を左右することがある……大学進学もそう、巨人・畠に対する思いにしてもそう。

阿部は広島の新井のような立ち位置で……。

 長良川球場から岐阜駅へ向かう帰りのシャトルバス内では「やっぱ阿部が打たんと始まらん」と3打数無安打の4番打者に対しての愚痴が聞こえてくる。

 東京ドーム帰りの丸ノ内線車内でも、岐阜のバス内でも同じような会話が交わされている2017年夏。

 満身創痍の38歳にここまで背負わせてしまうチーム状況が泣けてくる。

 本当ならば、阿部には広島の新井さんのような立ち位置でプレーしてほしいものだが……。

年間を通して多くの試合を主催することの難しさ。

 駅に着いたら信長、信長、信長、巨人の監督、それ由伸……じゃなくて、翌日からは舞台を京セラドーム大阪に移しての連戦である。

 遠征というか、大学時代を大阪で過ごした自分にとって、ここ大阪はホーム球場みたいなものだ。

 幾度となく中村紀洋やタフィー・ローズのホームランを観たその足で、あべちかの『あべとん』に寄りお好み焼きを食べた。2001年、近鉄最後の優勝を決めた、あの北川博敏の代打逆転サヨナラ満塁優勝決定本塁打も内野席で目撃している。

 乗り慣れた近鉄線のドーム前駅で降りると、早速「7月26日、27日の入場券は完売しております」の立て看板が出ていた。

 広島人気はもちろん、大阪在住の巨人ファンにとって年に1度の「ホームで巨人戦を見れる日」なのである。球場内をブラつくと、巨大なグッズ売り場や阪急時代の歴史を振り返る展示スペースもある。コンコースをぶらつき、オカズにたこ焼きが入っている大阪限定ジャイアンツユニホーム弁当(1400円)を買う。

 それにしてもデカいスタジアムだ。

 この『ぶら野球』の連載で日本各地の球場を回り、沖縄、宮崎、鹿児島、熊本、岐阜、山形、福島……とそれぞれ東京ドームでは経験することのできない数々の風景を見ることができた。本当に自然と調和した素晴らしい球場ばかりだ。だが、同時に「プロ野球を年間を通して開催する」ことのハードルの高さも知ることができた。

【次ページ】 年に一度の“祭り”としての試合は、いつも大混雑!

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