メジャーリーグPRESSBACK NUMBER
青木宣親にムネリン遺産の追い風!?
「Welcome to Toronto」の第一歩。
text by
ナガオ勝司Katsushi Nagao
photograph byAFLO
posted2017/08/09 10:45
今季アストロズでは105試合中70試合の出場で打率.272、2本塁打だった。移籍で出場機会を増やせるか。
チームにとって戦略的な補強ではないからこそ。
川崎が作った入り口のお陰で、ブルージェイズは青木を「普通に」歓迎した。だが、もちろん、チームに溶け込むことと、試合に出ることは別の話だ。
誤解を恐れずに言うと、これはブルージェイズにとって戦略的な補強ではない。不調のために先発起用が難しくなった左腕フランシスコ・リリアーノと、アストロズで出場機会を激減させていた青木とのトレードだ。お互いに所属チームでは居場所をなくしつつあった時に「ウチでなら使い道はあるよ」とそれぞれの球団が引き受けたビジネス上の取引である。
でも、そんなことは関係ない。青木にとってはアストロズ時代同様、これからも出場機会を巡る戦いが続くことになり、出場した時に結果を残すことでしか、来季へ繋がる道は見つけることができない。
我々に出来るのは、それを黙って見守ることだけだ。
考えてみれば、川崎も最初は期待されていなかった。
考えてみれば、ブルージェイズ時代の川崎も最初はまったく期待されていなかった。チームの勝利への執念を見せ、結果を出し、チームに溶け込む努力をし、「あいつはこのチームに置いておきたい」と思わせたからこそ、次の年があった。
逆境に立たされている今の青木も、似たような立場かも知れない。
「結果を残さなきゃいけないのはいつもと一緒。チームは変わったけどまた気持ちを入れ変えてやっていきたい」
と青木。「先駆者」のお陰でチームに溶け込むのはきっと、早い。あとは今まで通り、いつも通り、ベストを尽くすのみだ。