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青木宣親にムネリン遺産の追い風!?
「Welcome to Toronto」の第一歩。
posted2017/08/09 10:45
text by
ナガオ勝司Katsushi Nagao
photograph by
AFLO
日本人メジャーリーガーは未だに少数派である。
野茂英雄のメジャー挑戦から20年以上も経つのに、信じられないことかも知れないが、日本人選手は今でも珍しい。
そういうことは新しい日本人選手がそのチームに来た時に、とてもよく分かる。
新しい日本人選手に余裕を持って対応しているチームもあれば、ぎこちない感じで接しているチームもある。また一見余裕がありそうなチームでも、実は報道陣の数の多さを考慮しながらいろんな決め事をして、選手から遠ざけようとしているチームもあるし、ほとんどノーガードのチームもある。
トロント・ブルージェイズは、ほとんどノーガードのチームだ。そして、それはこのチームで人気者になり、今はソフトバンクでプレーしている川崎宗則のお陰である。
「ムネからWelcome to Torontoってメッセージが」
「(川崎から)Welcome to Torontoってメッセージが来た。まだ心はここにあるのかも知れない、あいつは」
と青木が笑う。アストロズからトレードで移籍し、チームに合流した8月1日の試合前のことである。
「ここにはムネの遺産があるっていうのをすごく感じる」
ムネの遺産。
たとえば主砲ホゼ・バティスタが青木のロッカーの前を通り過ぎる時、「ガンバッテネ」と声をかける。
たとえばカブス時代、福留孝介ともプレーしたことのあるダーウィン・バーニー内野手が「これって空手だっけ?」とお辞儀しながら胸の前で手を合わせる。
「そんなこと、日本人は誰もやらない」なんてのは百も承知。ブルージェイズの「前任者」は「その場が和めばいい」と日本語を教え、やりたいジェスチャーをやった。