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電撃トレードで高まるダルビッシュ有の価値。~世界一を狙う奥の手という評価、優勝すればさらに上がる?~
text by
四竈衛Mamoru Shikama
photograph byKYODO
posted2017/08/13 17:00
前田健太もいるドジャースは首位独走中。カーショーとともにエースの働きを期待される。
レンジャーズのダルビッシュ有がトレード最終期限の7月31日、ドジャースへ電撃的に移籍した。
もっとも、ダルビッシュ移籍の可能性は、早い時期から囁かれていた。2012年にメジャー移籍して以来、今季は6年契約の最終年。シーズン終了後にはFA(フリーエージェント)となるため、レンジャーズがプレーオフ進出争いから脱落した時点で、来季以降の再建策へ舵を切り、ダルビッシュを放出すると見られていた。
その一方で、レンジャーズはビジネスライクにしたたかな一面も覗かせていた。ドジャースをはじめ、ヤンキースなど交渉先球団の若手を丹念に調査。最終的にドジャース傘下のマイナーでトップ3にランクされる選手に照準を絞って交渉を進めた。ドジャース側とすれば、ドラフト上位で指名し、手塩と大金をかけて育成した将来の主力。29年ぶりの世界一がかかっているとはいえ、2カ月間の「レンタル」のために、簡単に手放すわけにはいかなかった。無論、レンジャーズも球界屈指のエースを「安売り」するつもりはない。両球団の駆け引きが繰り返されたことで、交渉は長期化した。