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Bリーグ1年で最も成長したチーム。
個性と成熟、ジェッツが求める両極。
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byAFLO
posted2017/07/27 11:00
千葉ジェッツはSNSなどファンサービスも多彩なチーム。船橋アリーナは千葉の新たな名所になっている。
欲張らなければ、面白くないではないか。
Bリーグチャンピオンという頂へ向かって登っていくだけの力をジェッツは持っていた。推進力とスピードも兼ね備えていた。それも、他のチームが脅威に思うほどのレベルで。
しかし頂にたどり着くまでには途中で回り道をしたり、悪天候を考慮してとどまることも必要だ。
Bリーグ初年度のジェッツには、それが出来なかった。だから、最終的にはベスト8という成績に終わった。
7月18日、ジェッツは新シーズンにむけての活動をスタートさせた。昨シーズン終盤の喧噪が嘘であるかのように、ひっそりと。彼らの戦いは続いていくのだ。
日本バスケットボールの歴史は、悲しみと別れの積み重ねだった。
実業団を母体とした旧NBL系のチームのなかには、親会社の経営不振により惜しまれながら活動を止めたチームもある。一方で、旧bjリーグでは参入障壁を低くした反面、経営の甘さから、ひっそりと表舞台から去ったチームも多い。ジェッツだって、経営危機にあえいだ時期がある。
危機を吹き飛ばし、ジェッツはエンターテインメントとバスケットボールの勝負を両立させようともがいている。簡単な道ではない。ただ、彼らは日本バスケットボールの最高峰の舞台に戦う、あこがれのプロクラブなのだ。欲張らなければ、面白くないではないか。
そして、そこで結果を残してこそ、Bリーグが開幕した意義はさらに膨らみ、日本バスケットボールの新しい歴史が紡がれていくのである。