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日本には、“省エネ”バレーが必要だ。
中田監督が新鍋理沙に託した役割。
posted2017/07/21 11:00
text by
米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph by
AFLO
北京、ロンドン五輪金メダル王者から6年ぶりに挙げた白星。7月16日、カメイアリーナ仙台で開催されたワールドグランプリで、日本はフルセットの末にブラジルを破り、2勝1敗で仙台大会を終えた。
「2セット先取してからのフルセットですが、結果が出てよかったです」
全日本女子の中田久美監督は穏やかな表情で語ったが、満足にはほど遠かった。試合内容を振り返るにつれ、課題が口をついた。
「ラリーが続いた時に、攻撃がレフトだけになってしまうのがきつい。ラリーの中でもミドルブロッカーや、あるいはバックアタックで切れないといけないし、そのためには1本目のコントロールがもっと必要。サイドアウト(相手にサーブ権がある時の攻撃)にしても、レセプション(サーブレシーブ)がちゃんと返っても決定率が4割を超えていないので、そこは継続して強化していきたいと思います」
サイドアウトにこだわる理由は“省エネ”から。
中田監督はチーム始動時から、「レセプションアタックの決定率を徹底的に強化したい」と語っていた。レセプションアタック、つまりサイドアウトにこだわる理由は“省エネ”にある。
以前、中田監督はこんな話をしていた。
「日本人が外国人選手とやる時って、ものすごく体力を消耗する。日本人同士でやる国内の試合とはまったく違う。それは(久光製薬の監督として)世界クラブ選手権を戦った時にもすごく感じました」